Dragon Bane

2001/06/24



Written by NAS芹沢 nasseri@cwa.bai.ne.jp


「Dragon Bane」(ドラゴンベイン)は3D視点のロールプレイングゲームです。
完全Palmオリジナルのゲームとして、1998年7月に登場しました。
非常に出来の良い、今なお世界中で人気の高いゲームです。

単なる戦闘だけのゲームではなく、至るところにある謎の言葉の意味を解明しながら先へ進んでいかなくてはなりません。
あなたの頭脳を試されるロールプレイングゲームといえるでしょう。

ロールプレイングゲームが好きで、ある程度英語がわかる方におすすめします。
(ゲーム中に出てくる英語はそれほど難しくないです)


目次
Dragon Baneとは?
HOW TO PLAY
クリアのために
おわりに




Dragon Baneとは?


3D視点で遊ぶファンタジーロールプレイングゲームです。
数々の困難が待ち受けている冒険を、仲間との連携やあなたのひらめきで切り抜けていきます。

特にこの作品は、謎解きポイントがいくつもあって、単にごり押しで進むだけではクリアできません。
あなたは世界を救えるでしょうか?

ゲームは全編英語なので、ある程度英語を読む力が必要です。



広大な舞台で繰り広げられる剣と魔法の世界!




HOW TO PLAY


MythoLogical Softwareのサイトからダウンロードすることができます。
シェアウェア(19.95ドル)です。

基本的にどのPalmでも動作するようになっています(筆者未確認)。
OSのバージョンや機種を選ばないのは、ゲーマーにとってはありがたい話です。

MythoLogical Softwareのサイトにある「日本語」という場所をクリックすると、日本語の解説を読むことができます。
このページでは日本語マニュアルのDOC版もダウンロード可能です。
日本語訳を作ったのは、Muchy's Palmware Review!で今はおなじみの、若き日のMuchy氏に他なりません。
あらためて氏に感謝します。


1 ゲームの目的

Dragon Baneの目的は、悪のドラゴンKra'anを倒し、世界を平和に導くことです。

行く手には数多くのモンスターや、罠に満ちたダンジョンなど、さまざまな困難が待ち受けています。
Kra'anの勢力は日々拡大しており、このままではモンスターによって各地の街が占拠されてしまいます。
もはや一刻の猶予もありません。
旅立ちましょう!

今まさに、世界の平和は勇者たちの手に託されようとしているのです。


ゲーム開始直後は、TRELEONという街にある王宮にいます。
ここで王に現状について聞き、旅立つのです。

TRELEON王宮
ゲーム開始直後の画面(TRELEONの王宮)
今回危機に直面して助けを求めてきた王

メニューにある「TALK」(話す)で王と話せます。
的確な助言をくれることもあるので、たまにはこの王宮に戻って王と話しましょう。

王の話
王と話しているところ
Kra'anっちゅう悪いドラゴンが率いるモンスター軍団が迫ってんねん、まじで助けてーな
(超関西弁意訳) (+_+)\バキッ


「PROMOTE」(昇進させる)を選ぶとパーティーのメンバーの経験値(EXP)が一定量たまっていたらレベルアップできます(後述)。

「ADD PLAYER」でパーティーに入れる仲間を選びます。
上の画面ではまだ一人もパーティーに入れていません。

では、パーティーを組むメンバーを決めることにしましょう!


2 キャラクター選択

このゲームは最大5人でパーティーを組みます。
5人より少ない人数でも遊べますが、後半になって辛くなるのでおすすめできません。

あらかじめ用意された7人の中から最大5人を選びます

このキャラクターの名前は変更することができません
逆にいえば、この7人にはバックストーリーも設定されており(詳しくはMythoLogical Softwareのキャラクター解説を参照)、ゲームの世界観を大事にしているともいえます。
でも、やっぱり少し残念ですね。

さらに一度決めたメンバーは変更できません
パーティーのバランスを考えながら慎重に決めてください。


キャラクター選択
キャラクターを選択する場面
KNIGHTからSORCERERまで、それぞれ長所を持つ7人の中から最大5人まで選ぶ


以下に7人の簡単な説明を載せておきます。
それぞれに長所と短所を持ったキャラクター達なので、上手に5人を選んでバランスのとれたパーティーを組みましょう。


HORACE(KNIGHT)

HOLACE
KNIGHT(騎士)のHORACE
剣を持った戦闘が得意、魔法は使えない
彼が「Dragon Bane」を手にしてKra'anと戦う日は果たしてやってくるのでしょうか?


FELDOR(DWARF)

FELDOR
DWARF(ドワーフ)のFELDOR
屈強な戦士、高レベルになると少々の魔法も使える
彼なら「Dragon Bane」も軽々と使いこなすだろう


ALAIN(ARCHER)

ALAIN
ARCHER(射手)のALAIN
弓矢を得意とする遠距離攻撃のプロ
後列からも攻撃可能です


OPHELIA(THIEF)


THIEF(盗賊)のOPHELIA
素早さと罠を回避する技能は重宝します
アンデッドなど特定の敵に対して強いです


EUFISTA(ELF)


ELF(エルフ)のEUFISTA
武器を使ってもよし、魔法を使ってもよしの万能型
弓矢も撃てるし耐久力が高いといいところ寄せ集め
ただし、何かに対して抜きん出た能力はありません


HELIX(WIZARD)


WIZARD(ウィザード)のHELIX
強力な攻撃魔法を使いこなす
魔法でしか倒せないモンスターもいるので頼りになります
一瞬で街に戻れる魔法なども使えるため、冒険には必須


ZO(SORCERER)


SORCERER(ソーサラー)のZO
回復魔法系に長けています
高レベルになると、死者を復活させる魔法も使えるので冒険には必須


さて、以上の7人から誰を選ぶのかということですが、これは人それぞれにおまかせします。
以下は筆者の個人的な考えです。
必ずしもこれがベストというわけではないので、参考程度にしてください。

まず、このゲームでは隊列の前3人が前列、後ろ2人が後列になります。
後列のキャラクターは武器で直接攻撃はできません
魔法か弓矢による攻撃になります。

そこで、前3人に剣で攻撃ができるHORACEとFELDOR、弓などの武器も使えるEUFISTA。
後ろ2人は、強力な魔法を使えるHELIXとZO。
この5人にしました。

前3人のうち1人は OPHELIA や ALAIN でもいいかなと思います。
また、弓矢を使うのはもちろん ALAIN でもいいでしょう。
HELIX と ZO はほぼ必須で変えられないと思います。
魔法は特に後半役に立ちます。

実際にこの5人で遊んでみた感想ですが、OPHELIA をはずしたので素早く動ける人間がいないので、後半になるとモンスターの方が先制攻撃が多くなりました。
これはしっかりレベルを上げていくことで対応できると思います。
また、同じく OPHELIA がいないので宝箱の罠をよく回避失敗します。
これは体力の多いキャラクターならダメージを受けてもなんとかなります。
そして、弓矢を使うのが名手の ALAIN ではなく EUFISTA なので、よく矢が外れました。
しかし、EUFISTA ならそこそこ強力な回復魔法を使えるなどの利点もあります。
それなりに自分では納得しています。

みなさんも自分が納得できるパーティーを組みましょう。


筆者のパーティー構成が決定!



ステム解説


基本的にスタイラスで操作します。
移動や選択肢を選ぶときなど、一部の操作はハードボタンでも操作できます。


1 移動

移動は3D視点で行なわれるオーソドックスなものです。
ハードボタンまたはスタイラスで画面をタップして移動します。

ハードボタンは左から順に「視点を変えずに左移動」「左を向く」「前進と後退」「右を向く」「視点を変えずに右移動」に対応しています。

スタイラスで操作する場合は、画面のタップ位置でハードボタンと同様の操作ができます。
例えば、画面の左端をタップすると、視点を変えずに左移動ができます。


3D視点のフィールドを歩き回る

個人的にはスタイラスで操作するのが気に入っています。
慣れると、かなり素早く移動できます。


ドアには前進で入れる
ありゃ、中はもぬけの殻でした


2 マップ画面

シルクボタン右下の「検索」をタップすると、マップ画面になります。

マップ画面
TRELEONのマップ
まだ行ったことがない場所は見えない

マップは自分が移動した場所についての情報を自動的に作成してくれる、オートマッピングです。
自分でマップを書きたい!という真のロールプレイングマニア(?)の方にはやや残念かもしれません。



3 キャラクタステータス

シルクエリア右上の「キーボード」(英語版Palmでは「Calc」)をタップすると、パーティーメニュー画面になります。

メニュー
メニュー画面

ここで「STATISTICS」を選ぶと、各キャラクタのステータスを見ることができます。


HORACE のステータスを確認中

LEVEL :レベル
HTPTS :ヒットポイント(生命力)
SPELL :スペルポイント(魔法を使うときに消費されるポイント)
ARMOUR:アーマークラス(防御力値:値が小さい方が防御力が高い)
STRENGTH:ストレングス(腕力:武器攻撃の強さに影響する)
INTELLIG:インテリジェンス(知力:魔法使用時に影響する)
STAMINA :スタミナ
DEXTERITY:俊敏性(高いほど動きが速い)
EXP:経験値


4 アイテム

「Dragon Bane」の世界にはさまざまなアイテムが登場します。
武器や防具をはじめ、冒険を有利に進めるためのアイテムも無数に存在します。
アイテムは街にある店で購入/売却したり、戦闘でモンスターから得ることができます。

「3 キャラクタステータス」で説明したパーティーメニュー画面で「INVENTORY」を選ぶと、アイテムの使用、装備などができます。


TRELEONにあるお店の1つ、武器屋



少し見にくいが、そのキャラクターが使えないアイテムは薄いグレー表示になる
HELIX は魔法使いなので、LEATHER GLOVES(革グローブ)と CLUB(こん棒)は使えない


買いたい物を選んだら、「YES」で決定



武具を買ったときはパーティーメニューのINVENTORYで装備するのをお忘れなく
「E」と書いてあるチェックボックスをチェックすると装備完了
アイテムの名前をタップすると USE ITEM(アイテムを使う)、GIVE(他のメンバーに渡す)、DROP(捨てる)を選択可能



お店で買うだけでなく、モンスターを倒したときにもアイテムがもらえることがある



5 魔法

「Dragon Bane」の世界では、数々の魔法が使えます。
魔法を使えるキャラクターは決まっていて、使うときには魔法に応じて一定量のスペルポイントを消費します。
ゲーム序盤は魔法が使えなくても、レベルが上がったら魔法を使えるようになるキャラクターもいます。

魔法の種類は、回復、防御、攻撃、支援、召還と、さまざま用意されています。
詳しくはMythoLogical Softwareのサイトにある魔法の解説をご覧ください。
(Dragon Baneのページに行き、「日本語」という場所をクリックして出るメニューから「Spells」を選択)

ここでは、いくつかの有用な魔法をピックアップして紹介します。


攻撃に関していえば、複数の敵を攻撃できる魔法や、召還系の魔法が有効です。
召還系はモンスターなどを召還し、パーティーに加えることができます。
召還されたキャラクターはヒットポイントが0になるまで戦ってくれ、0になると消えます。


レベル4の召還系魔法、「SUMMON THE IQTAR」で Iqtarを召還
強力な助っ人だ(一番下にステータス表示されている)


また、非戦闘時に使える「OPEN PORTAL」も便利です。
魔法陣が書かれている場所で使え、どこにいても一瞬で TRELEONの王宮前へ戻ることができます。


一歩前に魔法陣があるこの位置で「OPEN PORTAL」の魔法が使える


HELIXに「OPEN PORTAL」を唱えさせて PORTALが開いたところ
ここに入ると一瞬のうちにTRELEONへ戻れる


回復系の魔法は、数多くのキャラクターが使えます。
ただし、キャラクターによって魔法の強さは異なります。
高レベルの回復魔法になると、なんと死んだメンバーを生き返らせることもできます。


スペルポイントは50も消費するが、死んだ者を生き返らせることができる「RESURRECT」
ZOのレベル4魔法は強力なものばかり


魔法の力を生かすも殺すも、あなたの状況判断次第です。
特に後半は、モンスターも魔法を使ってくるので対処が重要になってきます。



6 戦闘


TRELEONの中を一通り見たら外への扉を開こう
扉も(鍵がかかっていないかぎり)前進するだけで進める



外のフィールドを歩いていると・・・出た〜!
画面の情報は、GIANT SPIDER(巨大クモ)が4匹、距離が10フィート(約3メートル)のところにいるという意味

ここで RUN(逃げる)、FIGHT(戦う)を選択できます。
RUN は失敗するときもあります。



各メンバーごとに行動を決める

ここで選択できるのは4つです。

ATTACK(攻撃)
CAST SPELL(魔法を唱える)
DEFEND(防御)
USE ITEM(アイテムを使う)

ATTACK は剣などの直接攻撃をする武器を持っているときは、敵の距離が10フィートでないと届きません
CAST SPELL は魔法を使えるキャラクタのみ使用可能です。


遠くに敵がいるときは、「ADVANCE」(接近する)が選べる
魔法や飛び道具を使えないときは迷わずADVANCE




HELIXに攻撃系の魔法を使わせようとしているところ
パーティーのレベルが低いときは、同じグループ内の複数の敵を攻撃できるような「SHORT FLAME」などがお勧め


ZOに支援/回復系の魔法を使わせようとしているところ
行動前に敵が全滅して戦闘が終了したとしても、回復系魔法は必ず使われてしまうので注意!
慎重に決めよう



パーティー全員の行動を決めたら「YES」で実行!
「NO」を選ぶと最初から行動選択しなおせます



戦闘中
状況は画面右上のウインドウにスクロール表示される



見事勝利!
GOLDと経験値(EXP)を獲得



7 レベルアップ

戦闘により経験値を得たキャラクタは、一定の経験値量でレベルアップします。
ただしレベルアップするにはTRELEONの王宮でPROMOTE(昇進させる)しなければなりません。
レベルアップするとキャラクタの能力が向上したり、新しい魔法を使えるようになったりします。


TRELEONの王宮で「PROMOTE」を選ぶ



やったゾウ!レベルアップ!



レベルアップできなくても、あと経験値いくらでレベルアップできるか教えてくれる



8 昼夜の概念

「Dragon Bane」の世界では昼夜の概念があり、外にいるときは空の明るさが変わります。
夜はモンスターの出現確率などが高くなっているようです。


空がだんだん暗くなってきた
一段と輝く星が見えたらその方角は北だということを覚えておこう


夜になると建物の中で寝ること(SLEEP)ができる


9 イベント

「Dragon Bane」では、いたるところに「謎解きポイント」があります。
そこには必ずヒントが書かれており、プレイヤーはその謎を解いて先へ進みます。

昔、パソコンなどでヒットしたリアルタイムロールプレイングゲーム「ダンジョンマスター」をご存知でしょうか?
このゲームもヒントが書かれた謎解きが数多くありましたが、そこからリアルタイム性を取り除いたような感じです。
「Dragon Bane」ではゆっくり考えることができます。


この扉は鍵がかかっていた!


扉の横には怪しげなマーク!
マークをタップすると謎めいた言葉が!
あ、なるほど、そうすればいいのか・・・あなたはどうすれば扉が開くかわかりましたか?

こんなのはまだまだ序の口。
この先もっともっとプレイヤーを悩ます謎解きがたくさん待っています。
かなり面白いです。


この扉を開けるには「GOLD KEY」が必要らしい・・・
何かを見かけたらタップしてみると、このように情報が出ることがある



10 ゲームオプション

シルクエリア左下の「メニュー」をタップすると、ゲームのメニュー画面になります。


ゲームのメニュー画面

「Restart」は最初からゲームをやり直すときに使います。

「Load」はセーブしてある場面からゲームをやり直します。
「Save」で数ヶ所の場面で任意の名前を付けてセーブできます。


セーブの画面

「Options」はゲームに関するオプション設定です。
上から順に、サウンドのオン/オフ、扉のアニメーションオン/オフ、店などの建物から出たときにどちらを向くか、左利きモードです。


Option の画面


「License」はシェアウェア購入して送られてきたコードを入力するところです。


MythoLogical Softwareから送られてくるコードを入力
これが完了すれば晴れて正式版になる

シェアウェア購入の方法は海外サイトでシェアウェアを買うゾウ!のコーナーを参考にしてください。






リアのために


筆者自身まだ全部クリアしていないのと(2001/06/24現在)、こういうゲームはネタをばらしてしまうと面白くない、というのがあるので手短に・・・。

1 寺院を活用する

いくつかの街には寺院(TEMPLE)があって、ヒットポイントの回復、死者の復活、スペルポイントの回復をしてくれます。
お金はかかりますが有効に使いましょう。


寺院


2 見た目にだまされるな!

壁などを見た目のまま、判断してはいけません。
何かで行き詰まったら、目で見た状況をそのまま受け入れるのではなく、「いや、ちょっと待てよ」と、マップ画面を見るなどして考え直してみてください。
何か道が開けるかもしれません。

例えば、そこらじゅうにある木などを見て、ささいなことに気がつくと、ちょっぴりいいことがあるかもしれません。


一見何の変哲もないように見える木も・・・


将来的にはここに、どうしても進み方がわからない人にヒントを教えるコーナーを設置したいです。
(今のところはまだ構想だけですが)
ヒントを見たい人だけが見れるように、階層的なページを考えています。




わりに


PalmOS用本格的ロールプレイングゲームの代表作ともいえる「Dragon Bane」。
その魅力を少しでも伝えることができていればよいのですが、いかがでしたか?

ロールプレイングゲームとしてのゲームバランスもしっかりしていると思います。
後半もレベルさえ上げていれば進める、というほど甘くはありません。
(その証拠に筆者自身が進み方がわからずに行き詰まっていたりします)

さあ、あなたも思い立ったらすぐに旅立ってください。
購入前の試用モードでも、そこそこ長く遊べるようになっているので、まずは遊んでみましょう!



なんと、悪のドラゴンKra'anに忠誠を誓う魔術師までいるとは!
怒涛のような魔法の応酬は緊迫感あり



後半は一度に出現する敵も多くなったりと遊びごたえあり
画面には一番近くにいる敵のグラフィックが出る




改版履歴

2001/06/24 初版
2001/12/01 会社名と価格の変更があったため修正




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