CLIE用ゲームコントローラー - ゲームレビュー「遊ぶゾウ！」

CLIE用ゲームコントローラー

2002/10/19 Update!

ソニー製のPalmOS搭載機種である、CLIE（クリエ）シリーズ用のゲームコントローラーが発売となりました。
初めてのゲーム関連純正周辺機器ということもあり注目度は高く、また出来も良いので今後のPalmOSにおけるゲームソフトの位置づけ、重要性を決める大事な機器といえます。

簡単ですがゲームコントローラー本体を中心に使い勝手などをレビューしてみました。

目次
PalmOSにおけるゲームソフト
CLIE用ゲームコントローラー
実際の使用感
対応しているゲームについて
おわりに

PalmOSにおけるゲームソフト

PalmOSはPDA用のOSとして作られたこともあり、シンプルな機能と即応性に優れたものになっています。

よって複雑なゲームを開発することは難しいとされてきました。
しかしこれが逆によかったのか、シンプルで楽しいゲームが少しずつ現れました。
歴代Palm機種のハードボタンがそこそこゲームに使えたこともあり、ゲームの数はどんどん増えていきます。
最近では本格的なゲームが続々登場するようになりました。
日本国内でもゲームを開発する人が増え、PalmOSにおけるゲームの分野は一つの地位を確立したともいえます。

筆者もPalmOS用ゲームを紹介するコーナー、「Palmゲームカタログ」を運営するなどしてゲーム分野の発展を願う一人です。

そんな中、日本国内でPalmOS用ゲームのパッケージ販売やシェアウェア販売をする会社が増えてきました。
特にパッケージ販売は、パソコンショップで気軽に買えるとあってユーザーに好評を博しており、さらに店頭でPalmOSを搭載した機種を知らない人への宣伝にもなるという相乗効果が期待されています。

パッケージ販売をしている会社、シェアウェアを販売している日本国内のサイトを、ほんの一部ですがミニリンク集として紹介しておきます。

パッケージソフト販売

・オルジェ
http://www.oruge.co.jp/

・イーフロンティア
http://www.e-frontier.co.jp/

・DaDa Palm Game Series
http://www.dada-pda.com/index_j.html

シェアウェア販売

・ソニーの「PDA Style」
http://www.jp.sonystyle.com/peg/

・「Vector」のPDA用ソフトコーナー「Pocket Vector」
http://pocket.vector.co.jp/

・有名通販サイト「Vis-a-Vis」のソフト販売サイト「Vis-a-Vis Handango」
http://visavis.handango.com/

・「PDA@Nifty」
http://www.nifty.com/pda/

さて、このようにゲーム好きな者にとってはかなり追い風が吹いている中、ソニーからCLIE T/NR/NX/SJシリーズ用ゲームコントローラー(PEGA-GC10)が発売されました。
純正の周辺機器でゲーム関連のものが初めて出たということ、PalmOS用ゲームに参入すると発表していたSEGAの「コラムス for クリエ」が付属していることもあり、各方面から注目されています。

CLIE用ゲームコントローラー

では実際にゲームコントローラーについて見ていきます。
実売価格は3980円程度です（2002/09現在）。
まずはパッケージから。

CLIE用ゲームコントローラー(PEGA-GC10)のパッケージ

パッケージはソニー純正周辺機器に使われるデザインが採用されています。
別売のキーボードPEGA-KB20に似ています。
正面からゲームコントローラー本体とケースが見えるようになっていて、「SEGA」のロゴとコラムスの画面が印刷されています。

パッケージの中身は以下の通り。

・ゲームコントローラー本体
・ストラップ
・ケース
・CD-ROM
・取扱説明書と保証書

付属品一式
ゲームコントローラー本体、落下防止用ストラップ、ケース、取扱説明書とCD-ROM

CD-ROMにはドライバソフトである「ゲームコン」や「コラムス for クリエ」などが収録されています。
インストーラーがWindows形式になっているため、パッケージに書かれている必要システムは

・Windows 98/98SE
・Windows Me
・Windows 2000 Professional
・Windows XP

となっています。
筆者もMacでは確認していません。

T600Cと並べてみたところ

ゲームコントローラーは本体下あたり、Graffitiエリアがある部分に装着します。
NRやNXシリーズでターンスタイル時のみ装着できますが、バーチャルGraffitiエリアが見えなくなってしまいます。
[追加]CD-ROM内のドライバはPalmOS5に対応していないため、NXユーザーは後述しているドライバアップデートが必要です。

装着は本体をはさみ込むように行われ、しっかり安定します。
写真では落下防止用のストラップは付けていません。
しかしマニュアルによると、落下の危険性を考えて装着してほしい旨が書かれています。
取り付けたほうがよいでしょう。

T600Cに装着したところ

ボタン構成は、オーソドックスに上下左右に相当するボタン４つ、Ａ／Ｂ２つのボタンがメインです。
中央にはGraffitiエリアの「ホーム」に相当する「HOMEボタン」、シルクエリアのメニューに相当する「MENUボタン」があります。
この２つのボタンによりほとんどのゲームでゲームコントローラーを装着したままでもホーム画面に移ったりメニューを呼び出すことができます。
また、プログラム側で対応すれば使えるようになる拡張ボタン「Ｘ」「Ｙ」、運搬時などで誤動作を防ぐためにボタンを無効にする「HOLDスイッチ」が用意されています。

ゲームコントローラーの裏側

裏側は特に目立ったものはありません。
しかし、１つだけ面白い機構を備えています。

接続ケーブルが出ている側のCLIE本体と固定する部分は「ふた」になっていて、はずすとケーブルが延長できるようになっています。

「ふた」をはずしたところ

これは、使う側の細かな調整や後述の通信アダプターに対応するためのものと思われます。
こういう作りの細かさが、ソニーは本気なんだと筆者が感じる一要因になっています。

ケーブルを全部引き出したところ
取扱説明書によると３ｃｍ程度伸びるようだ

ドライバソフト「ゲームコン」や「コラムス for クリエ」はWindowsパソコンを使ってCD-ROMのインストーラーから簡単にインストールできるようになっています。

「ゲームコン」は機能として、ゲームコントローラー使用のオン／オフ、キーエミュレーションのオン／オフ、各ボタンの割り当て変更ができるようになっています。

[追加]下記のドライバソフト画面はCD-ROM内のドライバ（V1.0J）です。現在はドライバアップデートが出ていますので必ずしも最新の画面ではありません。

キーエミュレーションのオン／オフは、ゲーム以外の画面でもコントローラーを正しく動かせるようにするモードです。
（ゲーム画面以外でも上下ボタンが使えるなど）

ただし、ゲームによってはキーエミュレーションをオンにしていると動かないものがあります。
（逆もあります）

このあたりは後述の「対応しているゲームについて」も参照してください。

ゲームコントローラーの各ボタンへの、本体のハードボタン割り当ては自由に決めることができます。
ゲーム側で使用するハードボタンが固定されているときは、こちらで自由に変えることができるので便利です。

実際の使用感

さて、実際の使用感ですが、ひとことで言うと「かなり良好」です。
対応しているゲームはほぼ全部快適に遊べるようになっています。

ゲーム専用だけあって遊びやすい
付属の「コラムス」も完璧な出来

通常の上下左右移動＋ボタンのような操作体系を持つゲームだけでなく、他のゲームも遊びやすいです。

例えば、ハードボタンの左右両端のボタンを使うピンボールゲームなどでも遊びやすいです。
その理由として、筆者は上下左右ボタンに当たる部分のボタンを、右側のボタンと同じ丸型にしていることがあると考えます。
すべてのボタンを丸い形にすることにより、ピンボールのようなゲームでも左側と右側のボタンの形が同じなので違和感なく遊ぶことができます。
このあたり、さまざまなゲームに対応するためによく考えられたデザインだといえます。

次に筆者が気になる点ですが、まず「上下左右のボタンがつながっていて一体であること」。
これは、左側にある上下左右ボタンのパーツが１つになっているためです。
そのため例えば横のボタンを押したはずが下になってしまった、等が起こります。
個人的にはまったく気にならない程度です。
これは遊ぶゲームが何なのかによって影響度が変わってくるといえます。

実際、CLIE User Club!には上下左右ボタンを分割する改造が投稿されました。

（注意：このように改造して必ずうまくいくとは限りません。また改造するとメーカー保証は受けられなくなります。あくまでも自己責任でどうぞ。）

次に、ゲームコントローラーを使い続けていると、「かなり早く本体のバッテリが減る」こと。
これはある程度は仕方がないと思います。
筆者が使っているT600Cは薄型なので、もともとバッテリ持ちはそれほどよくないというのもあります。
長時間ゲームをする方には問題となるかもしれません。

最後に細かな話です。
筆者は現在T600Cを使っているのですが、通信アダプターPEGA-CF60を付けたままゲームコントローラーが使えません（別売りのキーボードKB20と同じような感じです）。

しかし、これについてはつばめ氏から、別売キーボードKB20と同じように、後で発売されたPEGA-CF61なら対応しているとの情報を聞きました。
ただしCF61でも通信アダプターの電源が入っているときはゲームコントローラーが使えません。

Tシリーズ用の通信アダプターを装着したままのとき、
PEGA-CF60（左、ブラック）は装着したままゲームコントローラーが使えない
PEGA-CF61（右、シルバー）は装着したままゲームコントローラーが使える

（NRシリーズ用のCF70ではどうでしたっけ？情報求む！）
[追加]SPAさん、よしあきさんによると、CF70でもCF61と同様にCFアダプタの電源が入っていなかったら装着したまま普通に使えるそうです。情報感謝。

いろいろ書きましたが、個人的にはあまり気にせずに使っていて十分満足しています。
コラムスの出来が良いのも満足している一因だと思います。

対応しているゲームについて

ゲームコントローラー(PEGA-GC10)のパッケージには、「ゲームによっては動作しない場合があります」という注意書きがあり、すべてのゲームには対応していません。

そこで、筆者が運営している「Palmゲームカタログ」の紹介ゲーム一覧のページ（暫定版）にこのCLIE用ゲームコントローラーの動作状況を記載することにしました。

随時更新していますので、どれだけのゲームが動作するのか興味がある方はごらんください。
このページは随時更新しています。

また、CLIE User Club!のSPAさんと、共同企画という形でCLIEゲームコントローラー（PEGA-GC10）専用BBSを開設しました。

こちらに情報をお寄せいただければ、それを紹介ゲーム一覧のページ（暫定版）に反映させます。
みなさまからの情報をお待ちしております。
その他、ゲームコントローラーに関する話題はこのBBSにどうぞ。

CLIE用ゲームコントローラーの動作状況もわかる

「Palmゲームカタログ」紹介ゲーム一覧(暫定版)

ページ重いので注意！

ゲームコントローラーの動作についての情報を求む！

CLIEゲームコントローラー（PEGA-GC10）専用BBS

Produced by CLIE User Club! / 大阪Palm III

＜その他の関連リンク＞

「ゲームコントローラーアップデートプログラム」のご案内

ゲームコントローラーのドライバ Ver1.11J（NX シリーズの場合は Ver2.0J）。
PalmOS5対応とＸＹボタンへの対応など。
NXシリーズなど、PalmOS5の機種の方は必ず入れてください。

「ミニキーボード（PEGA-KB20） Ver1.01 アップデートプログラム」

CLIE用のミニキーボード(PEGA-KB20)をゲームコントローラーと併用したときの不具合改善。
（キーボードのドライバです）

おわりに

ゲームコントローラーもコラムスも、どちらも出来が良く、ひさびさに必須の周辺機器といえるのではないでしょうか。
今までCLIEでゲームはちょっと・・・という方も遊んでみてほしいです。

この記事を書いている時点で最新のCLIE、SJ30でも快適に使える

要望というか期待ですが、赤いT600C用に赤いゲームコントローラー出ないでしょうか。
少なくとも筆者とHIYOさんは買いますので(苦笑)。

あと、ケースメーカーからゲームコントローラー用革ケースなんてのが出てほしいとも思います。

また、筆者の勝手な想像かもしれませんが、コントローラーをゲーム以外の分野にも応用するということはできないでしょうか。
ハードボタンよりも使いやすく、ボタン数も多いということで他の実用ソフトでもゲームコントローラーだけで操作できるようにするなど、応用できそうな気がします。

・・・などと言っていたら、AClockDA2などでおなじみの、Hiroyuki Arakiさんのサイトでゲームコントローラーに対応したバイオリズムソフト「BiorhythmDA2」V1.06が公開されました。
こういう試みも面白いですね。

これからPalmOS5の時代になって、ますますゲームの分野が発展していくことを切に願いたいです。

最後になりましたが、CLIEゲームコントローラー（PEGA-GC10）専用BBSを開設してくださった「CLIE User Club!」のSPAさんに感謝いたします。

更新履歴

2002/09/29 初版
2002/10/19 CF70、NXシリーズ関連などについて記述を追加