PocketRogue
「PocketRogue」(ポケットローグ)は古典的ロールプレイングゲーム、「Rogue」(ローグ)の Palm版です。
Palmへの移植は、竹林氏によるものです。
「古典」とはいうものの、Rogueはいつの時代も世界中の多くの人々に愛され、今なお高い人気を誇るゲームです。
Rogueの一ファンとして、一人でも多くのPalmユーザーに遊んでもらいたいという思いから、取り上げました。
なお、本レビューは以下の文献を参考にしております。
竹山正寿/木村信行/太田昌孝 著「ゲームハンドブックシリーズ3・ローグハンドブック」
株式会社 BNN(ビー・エヌ・エヌ)
目次
Rogueとは?
HOW TO PLAY
システム解説
基本的なテクニック
モンスターマニュアル
特別付録・JFilePro用アイテム&モンスターマニュアル
おわりに
Rogueとは?
ゲームの解説に入る前に、Rogueを知らない方のために、その歴史、そしてなぜ長い間人々に愛されているのかを簡単に説明しておきます。
Rogueは 1980年、UNIX上で誕生したロールプレイングゲームで、その後クローンがさまざまな機種に広まって世界中に知れわたりました。
そして今でも世界中で数多くの人に遊ばれているゲームです。
これほど長い間、親しまれてきた理由として筆者は以下の点を挙げます。
1 シンプルな画面構成
Rogue誕生の頃は、現在のようにコンピュータに美しいグラフィック表示機能などはありませんでした。
したがって、Rogueのゲーム画面は単純なテキストで作られています。
しかし、これこそが Rogueの魅力の1つだといっても過言ではありません。
テキスト文字で書かれたキャラクタを見て、プレイヤーはいろいろと想像力を働かせます。
お宝を見つけて幸せな状況や、モンスターに遭遇した恐怖の状況を例にとると、宝がどんな形をしているのか、モンスターがどんな姿をしているのかを、自分で想像するからこそより幸せを、より恐怖を感じることができます。
だからこそ飽きがこないのです。
そしてこの単純な画面構成が幸いして、世界中のありとあらゆるコンピュータに移植されていきました。
高度なグラフィック機能を必要とするゲームだったら、ここまで広まらなかったでしょう。
PocketRogueのゲーム画面。
登場するキャラクタ、壁や道、アイテムなどはすべてテキスト文字で表現されている。
2 遊ぶたびに変わる舞台
Rogueの舞台は地下深く伸びているダンジョン(迷宮)です。
Rogueではダンジョンを自動生成しており、遊ぶ毎に迷路の形状が変わります。
迷路にかぎらず、落ちているアイテムなどもすべてランダムです。
何がどこに落ちているかは遊ぶたびに変わります。
つまり、ダンジョンがどんな形をしていて、自分がどんなアイテムを今持っているか、そのときの状況に応じた戦法をとらないと先には進めないのです。
よって、一度クリアした後もまた楽しめる、というわけです。
ゲームごとにランダムな迷宮が作られる
3 絶妙なゲームバランス
難しすぎず、やさしすぎず。
はじめは誰でも「こんなんクリアできるんかい!」と思うかもしれません。
しかし、しばらく我慢して遊んでみてください。
少しずつ進めるようになるはずです。
そしてRogueが面白くなってくるはずです。
そしてまた今日も名もなき墓が増えていく・・・
以上、簡単にRogueというゲームの概要を述べましたが、いかがでしょう?
もっと詳しく知りたい方は以下のサイトを参考にされるとよいでしょう。(^_^)
Roguelikeのページ
加古氏による Rogueの紹介サイト。
Rogueの歴史、Roguelikeな(=Rogueみたいな)ゲームの紹介などがあります。
HOW TO PLAY
竹林氏のサイト、tota@webよりダウンロードすることができます。
フリーウェアです。
PalmOS2.0以上で動作します。
(もしかしたら1.0でも動くかもしれないそうです)
日本語版と英語版が用意されていますが、本レビューのスクリーンショットはすべて日本語版のものです。
「PocketRogue」ゲーム画面の一例、Rogueにはタイトル画面はありません。
Rogueの目的は、「運命の洞窟」という名の迷宮の奥深く、地下二十数階にあるといわれている、「イェンダーの魔除け」(The Amulet of Yendor)を地上に持ち帰ることです。
迷路のように入り組んだ地下には恐ろしいモンスターがたくさんいます。
さらに、数々の罠が仕掛けられています。
そんな迷宮の中で、あなたは知恵と勇気で困難を乗り越えていき、無事に「イェンダーの魔除け」を手に入れることができるでしょうか。
そして、生きて地上に戻ってくることができるでしょうか。
さあ、旅立ちましょう!
システム解説
Rogueの基本的なシステムを、Palm版オリジナルの要素もまじえて説明します。
このページよりもはるかにきれいにまとまっている、竹林氏による解説もあわせてご覧ください。
Rogueはプレイヤーがコマンド(基本はアルファベットや記号1つ、多くても連続で3つ入れる程度)を入れて冒険者の行動を選択し、冒険を進めていきます。
リアルタイムではないので、ゆっくり考えて行動できます。
1 移動
「@」がプレイヤーである冒険者です。
あなたが操作します。
移動は上下左右と斜めの8方向にできます。
パソコン版などはキーボードで移動するのが簡単ですが、Palmでは移動したい方向をタップするのが楽です。
また、ハードキーでも上下左右4方向の移動ができます。
(左:Addressキー、右:ToDoキー、上下:上下スクロールキー)
また、パソコン版などで、SHIFTキーを押しながら移動キーで、何か物があったりモンスターと遭遇したりするまで進みつづける移動方法があります。
(俗に「走る」と言ったりします)
Palm版では、移動したい方向にスタイラスを滑らせると走ることができます。
画面上の記号ですが、「.」(ピリオド)が床、「|」「−」が壁、「+」が部屋への入口、「#」が通路、「%」が階段です。
真ん中にいる、「@」があなたの分身だ!
プレイヤーは迷路の中をさまよい歩き、モンスター(「A」〜「Z」)と戦いながら下の階を目指していきます。
階段を降りるには、階段の上で「>」、階段を上るには「<」を入力します。
(Graffiti入力わかる?)
階段「%」を発見!
下に降りてみる? それとも、もう少しこの階を探索する?
2 戦闘
モンスターと戦うには、モンスターがいる方向に「@」を移動させます。
例えば、この場面で左に移動しようとすれば、モンスター「Y」に攻撃できる
モンスターを倒してある程度経験値がたまったら、レベルアップしていきます。
レベルアップすると、体力の上限が増えます。
やった!レベルアップ!
また、普段動いているはずのモンスターが止まって(寝て?)いることがあります。
運がよかったと思ってさっさと用事を済ませて逃げましょう。
動かない(寝てる?)状態でよかった・・・。
さらに、ランダムでモンスターがたくさんいる、大部屋があります。
こういう部屋を見つけてしまったら、運が悪かったと思ってあきらめましょう。
ただし、大部屋にはアイテムもたくさん落ちているので、もしいけそうなら無理してでも全部倒してみましょう。
この部屋は・・・っと、げっ、みなさんお揃いですか!
倒せそうな奴は倒したけど、もう限界・・・ほな、さいなら〜。
階段を降りてみたら・・・こんなんでした(泣)。
とりあえず、右の扉まで逃げられるかな?
3 アイテム
Rogueでは様々なアイテムが落ちています。
モンスターが落とすこともあります。
アイテムを拾うには、アイテムの上を通るだけで拾えます。
アイテムを駆使することで冒険を有利にすすめることができます。
例えば、強力な剣、鎧(よろい)、体力を回復させる水薬、モンスターに投げると攻撃できる手裏剣、などなど。
あ、そうそう、言い忘れましたが、中には呪われたアイテムや役に立たないアイテムもあります。
悲惨な冒険にならないように気をつけましょうね。
主なコマンドは以下の通りです。
PocketRogueでは、Graffiti入力が簡単でしょう。
武器を装備する:「w」「(装備するものを選択)」
物を投げる:「t」「(タップ等で投げる方向を指定)」「(投げるものを選択)」
鎧を脱ぐ:「T」(注意:大文字です)
鎧を着る:「W」(注意:大文字です)「(着るものを選択)」
指輪をはめる:「P」(注意:大文字です)「(指輪を選択)」「(左手or右手を選択)」
指輪をはずす:「R」(注意:大文字です)「場合により(どちらの手か選択)」
巻物を読む:「r」「(読む巻物を選択)」
水薬を飲む:「q」「(飲む薬を選択)」
物を捨てる:「d」「(捨てるものを選択)」
飛び道具を投げてモンスター「H」を攻撃しているところ
運が悪いと上のように投げても投げても当たりません。
当たらなかったアイテムは地面に残ります。
鎧を拾ったので着てみたら、なんと呪われていた!
(はじめから防御力−1がかかっているのがその証拠)
脱ごうとしたけど・・・
呪われているアイテムははずせない(泣)
強敵、ブラックユニコーン「U」が行く手を阻む!
魔法の巻物を読んで「怪物を封じ込め」て「U」を一定時間動けなくし、そのうちに階段「%」へ急げ!
アイテムに関しての詳細は、後述のアイテムの解説をご覧ください。
4 地図
パソコン用などのRogueでは、画面が広いのでその階の様子がすべて一目でわかります。
しかし、Palmは画面が狭いため、全体を見渡すことができません。
そこで PocketRogueでは、マップ画面が別途用意されています。
マップ画面に切り替えるには、シルクボタンの「検索(Find)」をタップします。
(元の画面に戻るのも同じ)
マップ表示画面。
マップは「縮小」と「拡大」の2種類が用意されていて、マップ画面自体をタップすることで切り替えることができます。
また、通常画面で最下段の状態表示の行をタップすると、表示しきれていない情報表示に切り替えできます。
メッセージが表示される最上段をタップすると、最後に表示したメッセージをもう一度見ることができます。
5 サーチ
冒険中、いつでも「s」で、プレイヤー「@」のまわり一歩分の8方向を探索できます。
主に隠し扉や隠し通路、隠された罠を発見するために使います。
なお、「s」での探索は必ず1回で見つかるとはかぎりません。
同じ場所で何回か「s」をすると、はじめて隠し扉が見つかったりします。
そこでPocketRogueでは、ハードキーの「Datebookキー」を押すことで自動的に10回「s」を押したことになります。
(しかも便利なことにモンスターが近づいてきたり、何かが見つかると10回してなくても終わります)
あれれ、行き止まり?
「s」でサーチしたら、道を発見!
サーチして罠を見つけていなくても、運良く罠をよけることもある
6 食料
冒険中、移動やサーチなど、何か1つコマンドを入れるたびに、時間が経過します。
ある程度時間が経過すれば、おなかが空いてきます。
そんなときは食料を食べましょう。
コマンドは「e」「(食べるものを選択)」です。
ああ、おなか空いたなあ・・・。
「e」で食料を食べましょう!
ごちそうさまでした、満足、満足。(^_^)
ちなみに、運悪く食料を持っていなかった場合、そのまま冒険を続けると衰弱し、やがては餓死します。
7 休息
戦ってばかりでは体がもちません。
「.」(ピリオド)でその場で休むことができます。
ある程度休んでいると、体力が回復していきます。
危険と判断したときは無理せずに休みましょう。
もちろん休息している間も、食料を消費しています。
8 連続入力
いくつかの行動コマンドは、入力する前に数字を入れることによって、その数字回分だけコマンドを繰り返します。
例えば、「1」「0」「.」(ピリオド)と入れると、10回休息します。
9 セーブ
Rogueにはセーブ機能がついているものがありますが、PocketRogueにもセーブ機能があります。
ただし、Rogueにおいてセーブを使うのは邪道とされています。
(いろんなインチキまがいの技があるため)
苦しいとは思いますが、なるべくセーブを使わずに遊んでみてください。
なお、セーブを使うと、手持ちのGOLDが10%減ります。
以上のようにRogueではさまざまな行動ができます。
おそらく何かは書き忘れていると思うので(おい)、詳しくは竹林氏による解説をご覧ください。
基本的なテクニック
私自身、Rogueは大好きですが実はそれほどうまくはありません。
そこで、私が知っている範囲で基本的なテクニックを解説します。
1 移動
Rogueにおいて、移動は基本中の基本です。
「イェンダーの魔除け」を目指すのならすべての部屋をまわる余裕はないと考えてよいでしょう。
逆にゴールド(金塊)集め目的ならすべての部屋をくまなく探す必要があるでしょう。
移動は単純ですが、工夫次第で効率のいい移動が出来るようになります。
まず、斜め移動を使うこと。
斜め移動を使えば食料の減りをかなり抑えられます。
ステップが少なくなると、食料も節約出来ますし、また理論上罠にかかる確率も少なくなるわけです。
ハードキーでの4方向移動しか使っていないあなた、ぜひ斜め移動も使いましょう。
2 サーチ
Rogueでは「s」で自分のまわりの8方向をサーチできます。
必ず成功するとは限りませんが、うまくいけば隠し扉や罠を発見することが出来ます。
まず隠し扉についてです。
Rogueの各階の部屋は完全にランダムに見えますが、実は上の図でいう1〜9の付近に部屋が作られます。
そこに必ずあるとは限りませんが、逆にいえば10以上の部屋が1つの階に存在することはありません。
上の例だと、1、2、5、6、8に相当する部分に部屋が生成されています。
だから自分が仮に「1」のあたりにある部屋にいたとすると、「右」と「下」の壁をサーチする、「6」のあたりの部屋なら「上」と「左」と「下」をサーチすれば扉が出てくる可能性が高いわけです。
(あくまで可能性ですが)
4方向すべてに道があるということは、それだけで自分がマップ上で真ん中あたり(先ほどの図でいう「5」あたり)にいることがわかる
しかし、あまり調べ過ぎると食料が底をつくのでほどほどに。
どうしても道が見つからない時に使いましょう。
階段を降りてみると・・・なんと、道がない!
早速「s」でサーチ開始!
あ、いきなり道を発見、これはラッキーな例
また、このサーチの時も斜め移動を使って効率よく壁を調べていきましょう。
サーチは8方向に有効なので、壁を調べるときは2歩ごとにサーチすればよいことはわかるでしょう。
次に罠ですが、これはいちいち罠があるかどうか調べているわけにはいかないので、やはり運に左右されることになります。
罠を探知する指輪も存在しますが、そういう指輪を身に付けている間はより多くの食料を消費するので多用は禁物です。
3 アイテムの簡単な解説
Rogueには様々なアイテムが登場します。それを生かすも殺すもプレイヤーの腕にかかっています。
ダンジョンの奥深くに行けば必ず威力を発揮します。
「:」食料
冒険に必要不可欠なのが食料です。
これがないとどうしようもありませんが、たまにどうしようもなくなります。
運に託すしかないでしょう。
なるべく節約しましょう。
しかし、食べるべき時にはきちんと食べなければ、たくさんの食料を持ったまま永久に眠りにつくことになります。
食料に限ったことではありませんが、物を盗むモンスターとの戦闘には、近くに食料を置いてから戦うほうが安心です。
「*」ゴールド
ゲーム終了時の得点となるのがこのゴールドです。
逆に、冒険中には一切役に立たないともいえます。
奥深くに行くほど金額が大きくなります。
また、多額のゴールドを持ったり守ったりしているモンスターと戦うのはハイスコアラーには必須です。
基本的には、取りに行くステップ分食料の無駄になるので無理して取りに行かないこと。
「?」巻物
魔法の巻物です。読んでみるまでは効果はわかりません。
1度読むと巻物は消えてしまいます。
いい方向に働くか、悪い結果になるか、運です。
ただ一つ例外の巻物があります。
それが「識別」の巻物で、持ち物1つを識別してどのような効果があるかがわかります。
便利な巻物なので早めにどれが識別の巻物か調べておきたいところです。
「!」水薬
これも飲んでみるまで効果はわかりません。
気持ち良くなるか毒を飲むか、わからないからRogueは楽しいのです。
しかし、毒の薬や混乱の薬だからといって捨ててはいけません。
こんな薬にも使い道はあるのです。
まず、モンスターに投げる、ある特定のモンスターに効果を発揮します。
他にも、幻覚の薬を飲んでしまった時は毒を飲むと治ったりします。
このように、水薬に関してだけでも Rogueの奥深さを実感できると思います。
「=」指輪
いろいろな効果の指輪があります。これもわかりません。
呪われているものは外せなくなります。
良い効果をもたらすものが多いのですが、はめている間は食料の減りが激しくなります。
ただ、これにも例外が1つあります。
食料の減りが遅くなる指輪です。
これだけは食料の減りが遅くなるのです。
この指輪があれば、食料がほとんど必要ないので、適当な階で自分が納得いくまでレベルを稼ぐことが出来ます。
また、もう一方の手に別の指輪をはめていても食料の減りが早くないので、どんどん指輪の力を利用することが出来ます。
なお、指輪は左右どちらの手にはめるかを選択することができますが、武器に対して有効なものは右手につけましょう。
Rogueでは、武器を持っている手は右手という設定になっています。
「/」杖
魔法の杖です。
モンスターに使います。
杖には使用回数制限があります。
当然いい方向に働くものと悪い方向に働くものがあります。
私のお勧めは「別のモンスターにする」杖です。
モンスターが別の種類のモンスターになるという面白い効果があります。
ダンジョンの奥深くにいる強いモンスターもこの杖にかかれば弱いザコに変えてしまうことができます。
「)」剣・メイス・弓・飛び道具
矢、ダーツ、手裏剣などの飛び道具は重要です。
近付くと危険なモンスターにはまず遠方攻撃である程度ダメージを与えておくのがよいでしょう。
普通は弓を持って遠方攻撃し、モンスターが近付いてきたら剣に持ち直して戦います。
まあいちいち弓に持ちかえなくても矢を投げるだけでも大丈夫ですが。
持ち物表示などで表示される2つの数字はそれぞれ攻撃の成功率、相手に与えるダメージを表しています。
「]」防具
防具には様々な防御力を持ったものがあります。
当然呪われているものもあるので注意が必要です。
(呪われているものはモンスターに投げたりして飛び道具にしてもよいでしょう)
また、金属の防具を錆びさせるモンスターと戦う時には、わざと良い防具を外して別の防具を着て戦ったり、もし持っていれば防具を守る巻物を読むとよいかもしれません。
あと、鎧には防御力+1、+2等のかかった防具もあるので、単純に防具の名前だけで防御力を判断してはいけません。
(呪われたものは逆にマイナスの数値がかかっている)
「,」イェンダーの魔除け
このゲームの目的は、「運命の洞窟」の地下二十数階にあるという、「イェンダーの魔除け」を取って地上に生還することです。
イェンダーの魔除けを取ると階段で上に登れるようになります。
これを見つけるまでは、かなりの試練を乗り越えなければなりません。
イェンダーがある階も場所もすべてランダム。
あとは運まかせ!
4 アイテムの使い方
アイテムについては、Rogueをある程度プレイしてみれば、慣れてきます。
しかし、なかなか感覚がつかめないのが「いつ、どんな時に使うか?」ということでしょう。
・巻物
巻物はある程度どんな時に読めばいいかだんだんわかってきます。
一番わかりやすいのは、「もしこんな種類の巻物だったら、ここで使うとこういう効果が出るだろう」というのを期待して使ってみるやり方です。
例を挙げると、
1 探索が終わった後の階段の上(何が起こっても探索前よりは比較的安全だから、という考え方)
2 良い武器や、指輪などアイテムの入手後(武器に魔法をかける巻物や、識別の巻物であることを期待する)
3 戦闘時(モンスターに有効な巻物であると期待する)
のような感じです。
もちろんリスクはあるので運も必要でしょう。
(戦闘時に「眠ってしまう巻物」を読んでしまう等・・・)
これ以上は述べないので自分のスタイルを確立しましょう。
・水薬
薬に関していえば、やはり「運」でしょうか。
というのも、何がどんな効果かわからないので適当に飲んでみた時、「悪くなる薬を飲んだ後、良くなる薬を飲んだ」のと、「良くなる薬を飲んだ後、悪くなる薬を飲んだ」のでは雲泥の差です。
また、モンスターに投げつけるのもいいかもしれません。
例えばモンスターに当たって、モンスターがふらふら勝手な方向に歩き出したりしたら、「盲目」「混乱」などの薬の可能性が高く、自分では飲まないほうが無難です。
(命中した薬は消えますが)
・杖
杖も識別の巻物を使わないかぎり、実際に使ってみなければ効果がわかりません。
しかし中には「何の役にも立たない杖」とかもあるので難しいところです。
また、効果があってもそれだけで杖を特定するのは難しいです。
例えば、モンスターに杖を使ってモンスターが消えたとします。
だからといってこの杖が「モンスターを遠くに飛ばす杖」なのか「モンスターの姿を消す杖」なのかはすぐにはわかりません。
(後者だったらしばらくして「見えない敵」に攻撃されることでしょう)
5 戦闘
Rogueにおいて、戦闘は大きなウェイトをしめます。
ここでは基本的なコツについて解説します。
・モンスターの危険度を把握する
モンスターには危険なものと比較的安心出来るものとがあり、危険なものについてはそれなりに対処が必要です。
ラトルスネーク「R」やアクエーター「A」など、特殊攻撃をするモンスターには飛び道具が必需品です。
またスコア狙いのプレイヤーはゴールドを盗んでいくレプラコーン「L」に注意です。
しかしレプラコーンは倒すと大金をくれるのでこの辺が賭けになります。
他にはやはり一撃一撃のダメージが強いトロル「T」、メデューサ「M」、とてつもなく強いブラックユニコーン「U」、とても勝てそうにない(笑)グリフィン「G」やドラゴン「D」などが要注意モンスターです。
上手にアイテムを活用しましょう。
モンスターについては後のほうにあるモンスターマニュアルを参考にしてください。
・先手を取ろう!
モンスターになるべく先制攻撃をさせないようにしたいので、考えて行動しましょう。
Rogueはリアルタイムゲームではないので、落ち着いて行動しましょう。
この距離ならまだ二歩分距離があいているのでもう一歩左に進める
ここまで近づいてきたら、自分から左に動くと先制される
しかし、この場合は1回休息(または上か下に動いたり、飛び道具を投げる)しましょう。
左に動くと先制攻撃されてしまいます。
その場の状況をよく見て、落ち着いて考えながら戦闘しましょう。
・逃げ方
戦闘は危険がつきものです。
そのため戦いを続けるか、それとも逃げるか、という判断は早めに決定しなければいけません。
Rogueにおいての「逃げ」というのは、アイテムを使ったりしないとなかなか出来ないものですが、少しコツを解説します。
一番確実なのは、階段を見つけておくことです。
冒険していて強いモンスターが来たら階段まで逃げましょう。
えっ、下の階の方がモンスターが強いから意味がないって?
それはそうかもしれませんが、ここで死ぬよりは下に行くほうがいいでしょ?
最悪、階段さえあれば逃げ切れる
ただし、これにも注意することがあります。
そう、モンスター「X」が階段に化けていることがあるのです!
下の方の階では注意しましょう。
階段発見!と思って近づくと・・・
痛っ、なんじゃお前は〜!
次に、行き止まりにハマらないようにすることです。
モンスターから逃げているときに行き止まりに来てしまったら、アイテムを使うしかありません。
もし、動いていないモンスターがいれば、そのモンスターを軸に回転するように移動すれば、反対の方向に逃げることもできますが、めったにないでしょう。
どうしようもないときは1、2回のダメージを覚悟して突撃するしかありません。
ここで次のような疑問を持つ方がいらっしゃると思います。
「どちらにせよ逃げてもモンスターとの距離が離れるわけではないので、逃げても意味がないのではないか?」
よく考えて下さい。
逃げるということは時間が経過するということです。
そう、時間が経過すると自分の体力が回復するわけです。
モンスターは回復しないので、ここに「逃げる」意味が出てくるわけです。
こうしてヒット・アンド・アウェイで強いモンスターに対抗しましょう。
この方法を使えば、うまくいけば大部屋にいるたくさんのモンスターを引き連れて回ることで全部倒すこともできます。
まともに戦うと恐いメデューサ「M」も・・・
一周できるような通路を確保しておけば、逃げまわって体力を回復させつつ戦うことが出来る
モンスターマニュアル
PocketRogueに登場するモンスターの解説です。
Rogueにはいくつかバージョンがあって、モンスターの種類が若干違う場合があります。
本レビューはPocketRogueのモンスターを元に書いています。
「A」Aquator(アクエーター)/水ごけの怪物
特殊攻撃:鎧を錆びさせる
アクエーターは一言でいうと水のモンスターです。
その姿は様々な説がありますが、「巨大なカバ」というのが一番有力的な説だそうです。
接近戦では金属製の鎧が錆びてしまうことがある(皮製の鎧は大丈夫)ので、飛び道具を使って遠距離攻撃するか、防具を守る巻物をあらかじめ読んでおきましょう。
それなりに自分がレベルアップしていれば、わざと裸で戦うという手もあります。
「B」Bat(バット)/大コウモリ
特殊攻撃:なし
コウモリです。
危険度は極めて低いモンスターです。
しかしランダムに飛び回るので戦いにくく、注意が必要です。
「C」Centaur(ケンタウロス)/ケンタウロス
特殊攻撃:なし
ケンタウロスは、ギリシャ神話に出てくるモンスターです。
上半身は人間、下半身は馬の姿をしています。
かなり強いので、初めのうちはこのケンタウロスに痛い目にあうでしょう。
「D」Dragon(ドラゴン)/ドラゴン
特殊攻撃:炎を吐く
この手のゲームではすっかりおなじみのドラゴンです。
Rogueでも、とてつもない強さを発揮します。
遠くから炎を吐いて攻撃されるので、逃げる時はジグザグに動くことが大切。
しかし、ドラゴンに会うこと自体が最初は難しいでしょう。
ドラゴンに挑んだ者達の持ち物だろうか。
安らかに眠れ・・・。
炎はこんなところにも届くので注意
「E」Emu(エミュー)/大うずら
特殊攻撃:なし
エミューは、ダチョウに似ている小さな鳥です。
しかし、鳥といっても翼と尾はなく、足だけが異常に発達しています。
それほど注意する必要はないでしょう。
「F」Venus Flytrap(ビーナスフライトラップ)/はえとりぐさ
特殊攻撃:なし
胞子によって攻撃してくる植物です。
植物なので動くことはないので安心ですが、怒らせたりすると動くこともあります。
中盤から出てくるモンスターで、やられるとそれなりのダメージを受けます。
「G」Griffin(グリフィン)/翼ライオン
特殊攻撃:?
頭は大鷲(おおわし)、下半身が獅子(しし)で羽をも備えている強いモンスター。
遭遇したら逃げるしかない状態になるでしょう。
「H」Hobgoblin(ホブゴブリン)/小鬼
特殊攻撃:なし
西洋の小型でいたずら好きの鬼。
頭には角が1本ある。
自分のレベルが低いうちは注意したいモンスターです。
1階から出てくるので運が悪いとホブゴブリンに囲まれて終わり、ということもあります。
「I」Ice monster(アイスモンスター)/氷の怪物
特殊攻撃:近づくものを凍らせる
姿は不明(想像しましょう)。
雪女だとか白熊だという説があるらしい。
普段は動いていません。
しかし攻撃すると近づいてきて、凍らせようとします。
運が悪いと一発で凍死させられる可能性もある恐ろしいモンスターです。
「J」Jabberwock(ジャバーウォック)/巨大トカゲ
特殊攻撃:?
とかげの様な形をしたモンスターで大きさは小型のドラゴンという感じ。
しかし、あなどれない。
倒すには相当体力が必要でしょう。
「K」Kestral(ケストレル)/大はやぶさ
特殊攻撃:なし
「ちょうげんぼう」という。
はやぶさの一種で、和名「マグソタカ」。
はやぶさなのでスピードが速いが、それほど強くないので大丈夫だと思います。
「L」Leprechaun(レプラコーン)/金持ち妖精
特殊攻撃:ゴールドを盗む
アイルランド民話に出てくる小人の妖精。
地中に埋もれている金銀の場所を知っているという。
いつも大金を身につけているので倒せばゴールドが稼げるが、逆に自分のゴールドを盗まれないように。
「M」Medusa(メデューサ)/メデューサ
特殊攻撃:?
ギリシャ神話に出てくる、髪の毛がヘビになっている女性のモンスター。
遠くから睨(にら)みつけられただけで人は混乱したり石化したりするといわれている。
「N」Nymph(ニンフ)/ニンフ
特殊攻撃:?
ギリシャ神話に出てくる森、山野、洞窟等の精霊。
美しい女性の姿をしています。
まったく危険性はありません。
というのも、ニンフは攻撃力を持たず、普段は移動していないからです。
しかし、自分の身に危険がせまった時、その相手には報復をするでしょう。
「O」Orc(オーク)/欲ばり鬼
特殊攻撃:なし
人型のモンスターで、頭に角が2本あり、口に牙がある。
金に非常に執着していて、よく金を守っています。
「P」Phantom(ファントム)/幽霊
特殊攻撃:姿が見えない
人型のモンスターだが普段はその姿がまったく見えないという、かなりやっかいな相手です。
何もないところを歩いているときに突然攻撃されるのでびっくりします。
見えないものを見るためのアイテムがあれば一安心ですが、攻撃力もかなりあるので注意が必要です。
「Q」Quagga(クアッガ)/大つのじか
特殊攻撃:なし
クアッガは日本語版Rogueで「大つのじか」と訳されています。
強烈に強い印象はないですが、深い階から登場するモンスターなので気をつけましょう。
「R」Rattlesnake(ラトルスネーク)/がらがらへび
特殊攻撃:「強さ」を下げる
一般にいうガラガラヘビで、それほど強くないですが、安心は出来ません。
かみつかれると強さが低下します。
なるべく遠距離攻撃しましょう。
「S」Snake(スネーク)/へび
特殊攻撃:なし
単なるヘビです。
弱いのでそう気にすることもないでしょう。
「T」Troll(トロル)/巨人
特殊攻撃:なし
北欧に伝わる伝説の巨人。
Rogueをプレイする人すべてが、一度は体験するトロルの恐ろしさ。
めちゃくちゃ強いです。
しかし、接近戦でトロルをノーダメージで倒せないとRogueはクリアできない、とも言われます。
「U」Black Unicorn(ブラックユニコーン)/一角獣
特殊攻撃:なし
その名の通りの黒い一角獣。
トロル並、いやそれ以上の強さがある恐怖のモンスターです。
さあ逃げろ!
動きを封じるようなアイテムを使って逃げるしかないかも
「V」Vampire(バンパイア)/バンパイア
特殊攻撃:?
人か動物かは不明だが、とにかく吸血するモンスター。
「G」や「U」ほど注意することはないモンスターです(でも強いよ)。
「W」Wraith(レイス)/死霊
特殊攻撃:レベルを下げる
人の怨念が形となってあらわれたものです。
それほど強くないですが、接近戦だとレベルを下げられることがあります。
「X」Xeroc(ゼロック)/物まねの怪物
特殊攻撃:コピー
コピーモンスター。
原作Rogueの解説ではアメリカの某会社で生み出された、などと言われてます。
(ゼロッ〜ときてコピーとくれば、ネタはもうわかるでしょう)
アイテムや別のモンスター、果ては階段にまで化けています。
ダンジョンの奥深くでアイテムを拾う時などはご用心。
「Y」Yeti(イエティ)/雪男
特殊攻撃:なし
雪男です。
それほど強くはないので、レベルがそこそこ上がっていれば大丈夫でしょう。
「Z」Zombie(ゾンビ)/ゾンビ
特殊攻撃:なし
腐乱した死体です。
死者の霊魂が安らかに眠らず、怨念となって死体を動かしています。
早くあなたの手で成仏させてあげましょう。
モンスターを知ることはとても重要です。
それぞれに対して有効な戦法をとって、冒険をなるべく有利に進めていきましょう。
特別付録・JFilePro用アイテム&モンスターマニュアル
アイテムの解説とモンスターマニュアルを、JFile Pro形式のファイルでお届けします。
(Presented by TAKE ONE + NAS芹沢)
rogue_jf.ZIP(フリーウェア、7k)ダウンロード
上記のファイルには以下のJFilePro用データが入っています。
使用には別途 JFileProが必要です。
item.pdb:アイテムの解説
monster.pdb:モンスターマニュアル
rogue_jf.txt:説明ドキュメント
おわりに
いかがでしたか?
どれだけ私が語っても、結局は遊んでみなければ Rogueの魅力はわかりません。
さあ、あなたも今すぐ冒険に旅立ちましょう!
セーブ機能を使ったので自慢できないが・・・一応記載のクリア画面
最後になりましたが、Palmに Rogueをただ移植するだけでなく、Palmのハード性能を生かした機能を数多く追加され、いつでもどこでも Palmで楽しく Rogueが遊べる幸せを私たちに与えていただきました、竹林氏に感謝いたします。
m(_ _)m
改版履歴
1999/10/24 初版
1999/10/31 モンスターの日/英表記記述、その他若干の追加/修正
1999/12/24 特別付録としてTAKE ONE氏作成のアイテム&モンスターマニュアル(JFile Pro形式)を収録
2003/05/17 竹林氏のサイト移転に伴う修正
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