Rays
「Rays」(レイズ)は畑中氏作のシューティングゲームです。
Palmならではの、Graffitiエリア+シルクボタンエリアでスタイラスをすべらせてレーザービームを撃つという、きわめて斬新な発想、個性的な敵機の数々、反射板を使ったより高度なテクニック追求など、シューティングゲームとしての面白さをすべて兼ね備えたゲームといえるでしょう。
シューティングゲームファン必見のこの大作の魅力を、1周目攻略を含めてお伝えしていきます。
目次
HOW TO PLAY
システム解説
テクニック
1周目攻略!
ハイスコアコンテスト
Rays作者、畑中氏インタビュー
おわりに
HOW TO PLAY
畑中氏のサイト、畑中のページ(Hatanaka's page)にある「My Palmware」よりダウンロードすることができます。
フリーウェアです。
「Rays」のタイトル画面
タイトル画面では、ゲームの難易度(Level)の調整(Easy:やさしい 〜 Extra Hard:一番難しい まで4段階が選べる)、ゲーム中のサウンド設定(Off:音を出さない 〜 High:大きな音を出す まで4段階が選べる)が行えます。
なお、サウンド設定は PalmOS2.0を使用した場合、音の大きさを変えられないようです。
ゲームをはじめると、以下のような画面となります。
プレイヤーは、画面の上方から現れる敵を、レーザービーム(以下ビーム)で倒します。
ビームを出すには、Graffitiエリアかシルクボタンエリアで、ビームを出したい方向にスタイラスを滑らすことで行います。
滑らせた角度でビームの出る角度が決まるわけです。
飛来するミサイルをビームで迎撃している場面。
縦長の黒い線は後で説明する「反射板」。
スタイラスの滑らせ方で、出すビームの角度を変えられる
敵が画面下の基地(?)まで到達した場合、シールドが一段階破壊されます。
ゲームスタート時はシールドで4回まで耐えられるようになっています。
シールドはゲーム途中に出てくるボーナスを回収したり、隠れキャラを発見することで増えます(後述します)。
シールドが無くなった状態でもう一度敵が画面下までたどり着くと、ゲームオーバーとなります。
システム解説
基本的には「HOW TO PLAY」で説明した通りですが、Raysには以下の2つの面白いフィーチャーがあります。
・ボーナスアイテム
ときどき、画面上から「BONUS」と書かれたアイテムが落ちてきます。
これが破壊することなく無事に画面下までたどり着くと、ボーナス得点が入るか、またはシールドが一段階増えます。
余裕のあるときは確実に回収したいアイテムです。
これがボーナスアイテムだ!
・反射板
上下左右から、ビームを跳ね返す壁が出現します。
進行方向と進行速度は決まっています。
一度にたくさん出てくると敵までビームが届きにくくなり、かなり不利になります。
しかし、これをうまく使うことで、普段はビームが届かないところへビームを撃ち込むこともできます(「テクニック」の項を参照)。
また、ごくまれに破壊できる反射板があり、これを破壊するとシールドが一段階増えます。
撃ちたい敵をビームで撃てない・・・邪魔な反射板
ステージは全10面、これをクリアすると2周目に入ります。
2周目は敵の数が多くなったり、敵が下に降りてくるスピードが速くなったりしています。
そのかわり、ボーナスアイテムで入る得点も高くなっています。
テクニック
筆者なりに、Raysの攻略に必要と思われる知識やテクニックを網羅してみました。
・ビームの撃ち方
スタイラスを滑らせるだけなので、一見簡単なようですが、ビームの撃ち方を工夫するだけで撃墜率が向上します。
(以下、私が勝手に命名しています)
1 垂直ビーム
縦に長い敵を確実に撃墜したり、ボーナスアイテムを確実に回収するため(次の「BONUSの取り方」参照)に、まっすぐにビームを出す必要があります。
まずはこの垂直に出すビームを練習しましょう。
「4個だんご」さんに斜めにビームを当てて、中途半端に一個だけ倒したりしたら・・・
ほら、残りの3個にばらばらに来られて大ピンチに!
垂直ビーム一発で確実に全滅させよう!
2 やみくもビーム(苦笑)
ビームは数撃ちゃ当たります(本当か?)。
もちろん1つの敵をビーム一発で倒せればよいのですが、実際にはそうもいきません。
余裕があれば、1つの敵に対してスッスッスッっと、ビームを何発か出しましょう。
そうすることで、敵を倒せる確率が増えるとともに、画面上にビームがたくさん出ることにより、Rays全体の処理速度を無理矢理遅くすることができます。
特に出したビームがすべて反射したりすると、極端に処理が遅くなるので、そのうちに次の対策を考えましょう(なんてせこい手なんだ・・・)。
当たるまで撃って撃って撃ちまくれ!
(全然当たってないやん)
3 最後まであきらめないビーム(爆笑)
「あ〜、やられた〜!」、と叫んでいる場合ではありません。
もうダメだと思ったときでも、Raysではまだ助かるケースもあります。
下まで敵が来たからといってあきらめずに、最後までなるべく水平にビームを出してみましょう。
最後まであきらめてはダメだ!
角度の無いところからのスーパーショットを狙え!(ゴルフじゃないって)
ちなみに2枚目の画像のように最下段あたりまで来られても、最後まであきらめないビームで破壊できた。
とにかくあきらめないことだ。
・BONUSの取り方
ときどき画面上から降りてくるボーナスアイテム。
獲得できる確率を増やすための工夫をしましょう。
1 垂直ビームを活用する
当たり前ですが、降りてくる途中でボーナスアイテムをビームで撃ってしまうとそれまでです。
そこで、ボーナスアイテムを撃たずに敵だけ撃つには・・・そう、「ビームの撃ち方」で述べた垂直ビームです。
垂直ビームで敵だけを確実に撃つ、これでボーナスアイテムを取れる確率が上がります。
(運悪く敵とボーナスアイテムが重なってしまったら、撃つしかないですが)
BONUSを撃たないように垂直ビームで敵だけ倒す
ここで撃つとボーナスまで・・・しかし、どうしようもないときは思い切ってボーナスごと撃つのも決断だ
(特に後半面では早めに決断しないと大変なことに)
2 無理に攻撃のビームを撃たない
ボーナスが降りてきたときに、おそらく敵もいるでしょうが、降りてくるのが遅い敵だったり、ボーナスから離れたところに敵がいるときは、あえてしばらく敵を撃たないのも有効です。
ボーナスを避けながら敵を撃ったつもりで、うっかり反射板にビームが当たって反射ビームがボーナスに直撃、なんてことになるとその日は一日中気分がブルーです(筆者の経験より)。(^_^;
敵の動きが遅いときなどは、下手に撃たずにボーナス回収を優先
・反射板の使い方
反射板は、プレイヤーの邪魔をしますが、場合によっては利用できます。
例えば、普通では届かない場所でも、反射板を使ってわざとビームを反射させれば、思わぬところにいる敵を倒すことが出来ます。
ここまで反射板に邪魔されたらわざとビームを反射させないと右のほうにいる敵には届かない
また、ビームを反射させることにより、実質的な攻撃力が上がるのも見逃せません。
わざとビームを反射させることによって、見た目のビームの本数は増えるので攻撃力は上がっているはず。
弾幕をはれ!
1周目攻略!
以上を踏まえて、Rays1周目を攻略してみましょう。
(以下は Levelが Normalのときの攻略です)
Levelが Easyの場合は2周目以降はなく、また真のエンディングを見ることができません。
「Rays」は練習すればそれだけうまくなっていくので、今からはじめる方もぜひ Normal以上ではじめましょう。
最終面はきっと感動しますよ。(^_^)
なお、文中に出てくる敵の名前は私が勝手に命名しています。(^_^;
・SCENE 1
基本を学ぶ面です。
慣れてきたら、出てくる敵を一発で倒せるように練習してみましょう。
・SCENE 2
この面がはじまった直後、画面上にあるどこかの反射板を壊すと、シールドボーナスが出ます。
たかがシールド一段階分と思わずに、確実に取りましょう。
(これ以降の面でも定期的に出現します。余裕のあるときには反射板を撃ってみましょう)
SCENE 1 よりは敵が出てきますが、特に問題ないと思います。
・SCENE 3
嫌な敵の1つ、だんごさんが出てきます。
この面では、まだ敵が同時にたくさん出てこないので、だんごさんを一撃で倒せなくても後でフォローがきくのですが、後の面をクリアするために垂直ビームを使って一発で倒す練習をしましょう。
ここで練習したことはきっと後の面で役に立ちます。
・SCENE 4
新しい敵がたくさん出てきます。
また、同時に出現する敵の数も、この面あたりから多くなってきます。
敵の特徴(下まで降りてくるスピードや、どの程度左右に動いてくるか等)を把握して、どの敵から順番に倒せば楽になるか、優先順位を決めて倒していきましょう。
基本的には、下まで降りてくるのが早い敵(ミサイルなど)や、途中で無敵時間を持つ敵(無敵時には色が薄くなるやつ)などを優先するのがよいでしょう。
・SCENE 5
厄介な敵の一つ、六つ子持ち母艦が出てきます。
一見、六つ子を先に倒さないと大変に見えますが、先に母体を倒してからビーム連射で子供たちを倒すのも手です。
反射板があるときなどはビームをわざと反射させればたくさんの子供がバラバラに降りてきても対処可能です。
無理に子供から狙うことはないと思います(あくまで1周目は)。
この面あたりになると、他の敵もたくさん出てきてしかもスピードが速いものもいるので、一本のビームで2つ以上の敵を狙うなどの工夫が必要になってきます。
反射板をわざと利用したビームも使っていきましょう。
・SCENE 6
真正面からのビームを跳ね返す敵が登場します。
これは一見厄介なようですが、スピードも遅く、45度くらいの斜めビームで倒せるので問題はないでしょう。
わざと反射板として利用する手もありますし、この敵しかいないときにボーナスが出たら、しばらく撃たずにボーナス回収を優先してもよいでしょう。
・SCENE 7
横一列を覆い尽くす恐怖の壁、大型壁が登場します。
確実に破壊ポイントを壊せるように練習しましょう。
この面ではまだ、やみくもビーム(笑)で撃ちまくっていても大型壁は壊せるかもしれませんが、後の面のことを考えて、垂直ビームで大型壁のポイントを破壊する練習をしましょう。
コツは、まっすぐスタイラスを前に滑らせて、一瞬待ってからスタイラスを離します。
こうすることで、打ち出す角度がほんとにまっすぐになっているかを確認しながら正確な垂直ビーム(完全に垂直じゃなくてもほぼ垂直なビーム)を出すことができます。
とにかくあわてないことです。
また、この面では比較的敵の数が少ないので、ボーナスアイテム回収のチャンスです。
取れるときに確実に回収しておきましょう(シールドだったらラッキー!)。
・SCENE 8
大型壁とともに、他の敵も同時に降りてきます。
あえて大型壁をしばらく残して、大型壁で反射ビームを作り、降りてくる敵を全滅させるのも一つの手です。
・SCENE 9
「Rays」作者の畑中さん本人が一番きついのではないかとおっしゃっているのがこの9面です。
たしかに敵の数が多くて、しかも大型壁が何重も降りてくるわで大変なのですが・・・
・降りてくるたくさんの敵は大型壁の反射ビームを使って効率よく倒す
・大型壁に押し切られないように、反射ビームを使って普通に届かないところにもビームを撃ち込む。
・よほど安全なことがない限り、早めにボーナスアイテムはあきらめる(敵とまとめて撃つ)。
・どんなに大型壁が下まで来ても、あきらめない(ゲーム全体の処理速度が落ちるのであきらめないでビームを撃ちつづける)。
以上を踏まえて戦えば、攻略できると思います。
(私も何回か遊べば9面は楽にこえられるようになりました・・・練習あるのみ)
・SCENE 10
いよいよ最終面です!
はじめはしばらくザコが出てきますが、そのうち・・・・・・
うひゃ〜、これはどうやって倒すねん!
・・・という感じですが、落ち着いて降りてくる子供を破壊しながら(子供の破壊を優先するくらいでOK)、そのビームを親玉本体にも当てていく、という戦法がよいでしょう。
親玉のまわりにある玉(?)は常に時計まわりに回転しているので、なるべく右側で破壊すると、親玉の核を狙いやすくなります。
あとは体力の続く限り連射あるのみ!
(くれぐれも、Graffitiエリア壊さないようにね)
ハイスコアコンテスト
埼玉のPalm/Pilot & WorkPadユーザーグループのサイト、彩 Palm/Pilot UG HPにて、ハイスコアコンテストが行われています。
ここで「Rays」のハイスコアを登録することができます。
腕に自身のある方はぜひトップ目指して挑戦してみましょう。
(筆者もたまに登録していますがなかなかスコアが伸びません)
Rays作者、畑中氏インタビュー
Rays開発者である畑中氏に、Raysに関するさまざまな質問をぶつけてみました。(^_^)
Q Raysを作られたきっかけは?
特にこれといったきっかけは無いのですが、前々からPalmのプログラムを作りたいと思っていました。
PalmのReferenceを適当に読んだ後、何を作ろうかと考えたのですが、実用プログラムのアイディアが無かったので、ゲームにしました。^_^;
Q ほんとに初作品なんですか?
プログラムは以前から作っていましたが、Palm用のものは初めてです。
初心者Palmプログラマなので、難しいAPIは使ってません。
Q 開発環境、開発期間等教えていただけますか?
開発環境はWin95+gccです。
期間は3ヶ月ぐらいかな?
初めてのパームウェアということと、ウィークエンド(and ミッドナイト)プログラマなのでなかなか進まず、時間がかかりました。
(ビールを飲みながら作ったので遅いという話も...)
Q ゲームバランスの調整はどのように行われましたか?
ゲームバランスって本当に難しいです。
コードをほとんど書き終えてから、一週間ぐらい、難易度の調整をしました。
ひたすらテストプレイして、パラメータを調節するのですが、開発中に上達した分を差し引いて考えなくてはならないので大変でした。
今でもゲームバランスについては自信がないです。
うまく調節できているでしょうか??
Q Ver1.0発表後に途中で敵の追加がありましたが、このあたりの理由は?
いや... たいした理由は無いです。 ^_^ゞ
機能的なリクエストがあって、アップデートすることにしたのですが、どうせならゲーム面でもプラスαしておこうかなって、軽く考えて追加しました。
でも、これをやるとハイスコアとか変わっちゃうんですよね。
今は彩パームでハイスコアコンテストもやってもらっているので、多分、この辺の変更は今後はやらないです。
Q プレイヤーからの反応はどうですか?
何人かの方からメールやオフ会で感想、意見を頂きました。
また、いくつかの情報サイトで紹介して頂きました。
フリーウェアの報酬ですね。とても嬉しいです。
Q 次回作の予定は?
作りたいものはいくつかあります。
次はゲームじゃないものの予定です。
大した物じゃないので、期待しないで下さいね。
畑中さん、お忙しいところありがとうございました。
おわりに
「Rays」はそのゲーム性の高さもさることながら、例えば初めの方のボーナスアイテムに「Don't Shoot!」という警告が付いたり、シールドが破壊されたときに画面上にいる敵が左右(上下のときもある)に去っていったりするような、演出面から見ても手抜きがない作品だと思います。
このような素晴らしいゲームを開発され、本レビューの執筆にも多大なるご協力をいただきました、畑中氏に心より感謝いたします。
m(_ _)m
改版履歴
1999/08/22 初版
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