スタイラスを使うゾウ!

2000/12/31 Update



Written by NAS芹沢 nasseri@cwa.bai.ne.jp



Palmシリーズには、さまざまなスタイラスが存在します。
私が所有しているものもかなり多くなってきたので、感想をまとめてみました。
今後も新しいスタイラスを手に入れたら追加していきます。


目次
純正スタイラス
カラーパック
デュアルアクションスタイラス
Palm V Custom Deluxe Stylus(PDA Panache)
ぺんとぴあ
すたぼQ
クロスバー New!
Accent III New!
番外編
おわりに



純正スタイラス


Palm本体に付属している、標準のスタイラスたちです。
可もなく不可もなく、といった感じですが、新しいPalmのスタイラスほど、作りがちゃちっぽくなっています。
本体の価格を下げるという意味ではいたしかたないところでしょう。

Palm III

Palm III純正 リセットピン内蔵
Palm III純正スタイラス。
一応リセットピンが内蔵されているのでそこそこ使える。
リセットピンが内蔵されているというのは当時としては画期的であった


Palm IIIeSE

Palm IIIeSE純正
Palm IIIe Spetial Edition 純正スタイラス。
価格を抑えるためか、プラスティックの安いもので使えません。
リセットピンもありません。


Palm IIIc日本語版

Palm IIIc日本語版純正
Palm IIIc日本語版の純正スタイラス。
Palm IIIと同じデザイン、機能です。
色だけは本体と合わせているので、Palm IIIのと比べやや黒っぽくなっています。


Palm V

Palm V純正(長さは同じで重さが違う)
Palm V 純正スタイラス。
本体左右のスタイラス溝に1本ずつ、2本入っています。
しかも心憎いことに、この2本は重さが違い、好きなほうを選んで使えるようになっています。

重い方はリセットピン付
重い方は胴体が金属になっていて、短いですがリセットピンも内蔵されているのでまだ使える方です。
軽い方はただのプラスティックの棒です。


TRGpro

TRGpro純正
TRGpro 純正スタイラス。
Palm IIIのとまったく同じ物です。


Visor

Visor純正
Visor(初期型)純正スタイラス。
これもただの軽いプラスティックで使い物になりません。
なお、Visorのスタイラスは PalmPilotのスタイラスと形が同じであるため、押し入れの奥にしまわれた古いスタイラスがあれば、もしかしたらそのまま使えるかもしれません。


Visor stylus 5-pack

Visor stylus 5-pack
Visor用(後期型)純正スタイラス(premium metal stylus)。
初期のVisorは上の黒いプラスティック製スタイラスでしたが、新しいVisor(本体のバージョンがいくつかあるようです)にはこのスタイラスが1本付いてるようです。
Visor本体のバージョン違いについてはAD-Visor!の2000年5月6日、7日の記事を参照願います。
写真は別売りの5本パックです。
試してませんがPalmPilotにも使えるのでは?

リセットピンだけでなくドライバーまで内蔵!
先の方(右側)にリセットピンを装備しているだけでなく、根元の方(左側)にはドライバーまで!

真ん中は金属製なので、やや重みがあって私は好きです。
なんとこのスタイラス、ドライバーまで内蔵しています。
それにしてもなぜVisorにドライバー?
というか、私は早速眼鏡のネジのゆるみを直すのに使ったけど(おい)。(^_^;

iceには他の色が合うかな
私のiceな本体には、ice以外の色が似合うようです




カラーパック


カラーパック
Palm III用に発売された、フリップカバーとスタイラスのセット。
予備のスタイラスに、と買ったのですが一度も使う機会は訪れませんでした。
WorkPad 30Jでも使えます。

カラーパックのスタイラス
カラーパックのスタイラス(青、緑)
どちらの色も純正のスタイラス(グレー)とは違う色になっています。




デュアルアクションスタイラス


やけに大きなパッケージ

PalmV/WorkPad c3向けに発売された、斬新なスタイルのスタイラス。

かっこいいゾウ〜

ちょいとひねると、スタイラスの先からボールペンが出てきます。

ボールペンを出したところ

ただし、リセットピンは内蔵されていません。
(これについては、ボールペンの代わりにリセットピンを内蔵する改造があって、実践されている方も多いと聞きます。ただし改造なのであくまで自己責任となります。)


[追加 2000/06/01]
Pilot-ML[22140]の投稿によると、デュアルアクションスタイラスに新バージョンが出ているようです。
それによると、外箱はいままでのものと変わりませんが、リセットピンが内蔵され、ボールペンの替え芯も付いているようです。
これで欠点が1つ無くなりました。



また、スタイラスの本体部分がPalm本体から外に出ているので、ケースによっては入らなくなることがあります。
値段が高いのも難点です。
しかし、とにかくかっこいいのでおすすめです。

PalmVに装着




Palm V Custom Deluxe Stylus(PDA Panache)


PDA Panacheは、アメリカの有名な会社です。
PalmV用のスタイラスを購入しました。
私が買った色はChromeですが、他に Black、Goldがあります。

いかにもアメリカっぽいパッケージ

さすがアメリカ(?)というか、重くてしっかりしたスタイラスです。
シンプルなデザインが気にいったので私は会社用として使っています。
リセットピンも内蔵されており、普段使うにはなんの不満もない仕上がりです。

長い方にリセットピンがついています

とにかく昔からいろんなスタイラスを作っているところなので、(もちろん英語ですが)一度サイトを見てみるのもよいでしょう。
最近では日本のパソコンショップや通販サイトでも取り扱うところが増えてきました。



ぺんとぴあ


パッケージ c3用パッケージ
左がWorkPad用、右がWorkPad c3用(以降の写真同じ)

「ぺんとぴあ」は、万年筆やボールペンでお馴染み、パイロット社のスタイラスです。
昔々、Palmは「Pilot」という名前を主に使っていて、それがパイロット社に訴えられたりしたので、まさかパイロットからPalm用のスタイラスが出るとは思っていませんでした。
出た当時、びっくりしたのを覚えています。

WorkPad用(Palm III系用)と WorkPad c3用(Palm V系用)がそれぞれ発売されています。
さらに、色のバリエーションもかなりが出ていて好きなものを選ぶことができます。


[追加 2000/12/31]
現在はVisor用も発売されています。


私はPalm IIIeSE用に WorkPad用のブルーを、PalmV用に WorkPad c3用のグリーンを購入してみました。

30J用ブルーを買いました c3用グリーンを買いました
c3用(右側)には金属クリップが付加され、ポケットや手帳にはさめるように改良された

特徴としては、とにかく純正スタイラスに形を合わせている、ということでしょう。
そしてスタイラスの先にクッションを搭載している、この点も他にはないところです。

個性的なデザインの方が好きな方は、いまいち物足りないものを感じるかもしれません。
しかし、さすがはパイロット社、使い勝手というか実用度はかなりよいです。
リセットピンが内蔵されていますし、ボールペンも内蔵されています。
しかも価格がかなり安いので、1本持っておいて損はないでしょう。

左がリセットピン、右がボールペン 左がリセットピン、右がボールペン
写真左(先の方)にはリセットピン、反対側(右)にはボールペンを内蔵

PalmIIIeSEに装着 PalmVに装着
純正のスタイラスと同じ具合にぴったりはまります
(かなりぴったりなので本体の機種によっては取り出しにくいことがあるかも)




すたぼQ


「すたぼQ」は関西の雄、SIMPLE COM製のスタイラスです。
古くからPalm用スタイラスに力を入れてきた会社なので、その製品はかなり研究されています。

Palm III用(WorkPad系用)と PalmV用(WorkPad c3系用)がそれぞれ発売されています。
後から出たため、PalmV用の方を「新すたぼQ」などと「新」をつけて呼ぶことが多いようです。


[追加 2000/12/31]
現在は Palm III用は「すたQ」(「すたぼQ」ではなく「すたQ」です)という名前で新たに発売されています。
なので、現在は Palm III用は「すたQ」、それ以外の機種は「すたぼQ」ということになっています。
本記事は PalmV用のところだけ参照してください。
「すたQ」の写真は近日追加予定です。


すたぼQ
左の箱が白い方が PalmV用(WorkPad c3系用)、右の箱が黒い方が Palm III用(WorkPad系用)
PalmV用の方がやや太くなっています。
スタイラスと球の色はこの他にも種類がいくつかあります。

新すたぼQ
PalmV用(WorkPad c3系用)のすたぼQを分解したところ
写真左(先の方)には長いリセットピン、反対側(右)にはボールペンを内蔵(Palm III用も同じようになっています)
上の6色の球はどちらのすたぼQでも使用可能な球セット(別売)

特徴は、なんといっても見た瞬間目に飛び込んでくる「球」。
斬新なデザインです。
この球はネジ式になっていて、まわしてはずすとボールペンが出てきます。
スタイラス+ールペン=「すたぼ」というわけですね)

球を配するというデザインについては賛否両論あるようですが、私自身は個性的なものが好きですし、球があるおかげでPalm本体から抜きやすいので気に入ってます。
(ボールペンを使うときに球をはずすのが面倒、しかも球が無くなりやすい、という話をよく聞きますが、私はあまりボールペンを使わないんです)
そして、目立つ球に隠れている特徴ですが、非常に長いリセットピンやアルミの削り出し具合など技術力の高さは素晴らしいです。

PalmIII用 PalmV用
Palm III用、PalmV用をそれぞれに装着したところ
球がかわいい〜
(ただし、突出しているので縦開き型ケースには入らないことがあるかも)

ただ、さすがに大手メーカーの量産力にはかなわないか、価格がやや高いです。
しかしそれを補ってあまりある個性、これがすたぼQです。

ぺんとぴあが優等生なら、すたぼQは芸術家といったところでしょうか。
どちらも別々の魅力がありますね。

私は Palm III用は Palm IIIで、PalmV用は Visorで使っています。
PalmV用は PalmVや WorkPad c3だけでなく、Visorにもぴったりなのは特筆すべきことでしょう。

PalmV用はVisorにもぴったり
PalmV用(新すたぼQ)はVisorにもぴったり




クロスバー


「クロスバー」は、一風変わった発想から生まれた、究極のスタイラスを作ろうという試みです。
有名な高級ボールペンメーカー、A.T.CROSS社(以下、CROSS)のボールペンをスタイラスに変えてしまおうというものです。

これを考えたのは、現在掌極道(ぱ〜むごくどう)というサイトを運営している、はるやん氏です。

氏は現存するスタイラスを研究し、理想のスタイラスを作るためのある結論を出しました。
それは、一からスタイラス自身を作るのではなく、CROSSボールペンの芯だけをスタイラスに入れ替えたら、書きやすいスタイラスができるのではないか、ということです。
そこで氏は、CROSSのボールペンの替え芯として、クロスバーを作ったのです。
そのあたりの詳しい話は掌極道に載っています。


クロスバー
これがクロスバー
白色と黒色、2本で1セットになっている


筆者もその書き味を試してみたくなり、購入してみました。
通販を基本としているので販売されているところが限られています。
これも詳しくは掌極道のサイトで確認してください。

さて、購入したのはいいのですが、よく考えてみると、これはCROSSのボールペンの替え芯なのです。
筆者はなんと、CROSSのボールペンを持っていませんでした。(^_^;

というわけで百貨店に買いに行くことにしました。
なんでも、CROSSのボールペンは、1000円くらいのものから、数十万円するものまであるらしいです。
とりあえず、筆者は店頭で試してみて自分が書きやすいと思った、6000円のボールペンを購入しました。
お店の方いわく、今年(2000年)秋の新作モデルだそうです。


CROSSのボールペン

CROSSのボールペン
これが購入したCROSSのボールペン


1ヶ月ほど普通のボールペンとして使ってみたのですが、さすがに滑らかです。
書き味はよかったです。
まあ、いままでこんな高価なボールペンは使ったことがないので、当たり前といえば当たり前かもしれません。
いよいよ、ボールペンをクロスバーに入れ替えてみます。


分解開始
まずは開けてみます

ボールペンの芯を取り出す
ボールペンの芯を取り出しました

元のネジ山キャップを使う
元のボールペンからネジ山キャップを取り外し、クロスバーに取り付ける
あとは元通りに組み立てて完成

ここで、少々問題が生じました。
クロスバーがなかなかネジ山キャップの奥まで入らないのです。
しかも、結構堅いので抜くこともできなくなってしまいました。

CROSSのボールペンは種類も多く、ネジ山キャップには微妙な違いがあるようで、場合によっては少し細工をしなければならないとのこと。
掌極道のサイトにある「よくある質問」などのコーナーで詳細かつ丁寧に解説されています。

結局、はるやん氏に伺った以下の方法、

 クロスバーは簡単には折れませんが、抜けなくなった時には念のため柔らかい布などをペンチで挟んで、クロスバーを保持、ネジ山キャップを捻るようにして抜いてみてください。

 次に、クロスバー差込部分先端を1センチほど、ほんの薄く(薄皮を剥く感じで可)カッターで削ってみてください。

をやってみると、簡単に入りました。
みなさんも同じようなことになったときに参考にしてください。


そして完成

先端部分
先端部分もボールペンのときと同じように出てきました


ちょっと途中、苦労する場面がありましたが、完成しました。

さて、感想なんですが、やはり書きやすいです。
他のサイトのレビューでも、書きやすいという感想が多いようです。
しかし、筆者はこの「書きやすい」というのは「元のCROSSのボールペンが書きやすい」のだから、当たり前ではないかと思います。
もちろん、スタイラスの先はクロスバーなのですから、半分はクロスバーが書きやすさに貢献しているでしょう。
しかし、CROSSのボールペンも、それなりに研究されて作られているはずです。
なので、あえて筆者はクロスバーとしての感想に「書きやすい」という言葉は使わないことにします。

しかしながら、その書きやすいCROSSのボールペンをスタイラスとして使おう!という「発想」は賞賛に値します
誰もが思いつきそうでも、実践する人はなかなかいません。
はるやん氏のスタイラスにかける情熱が、この素晴らしい作品を生み出したんだと思います。

これからも、これに満足することなくスタイラスの道を極めていってほしいものです。

ゲームも遊びやすい
う〜ん、ゲームも遊びやすい(←こればっかり)




Accent III


「Accent III」(アクセント・スリー)は、id east endの、Palm III系純正スタイラスのボディを入れ替えるパーツです。
Palm III、Palm IIIc、WorkPad 30J、TRGproなどに標準添付されている、Palm III系の純正スタイラスが対象です。

パッケージ
製品は3色セットでの販売

Accent III
純正スタイラスの、両端をはずしてこのAccent IIIと取り替える
ねじ込むだけなので作業自体は非常に簡単


装着してみたところ
手持ちのPalm III系スタイラスに装着してみた(手前の3本)
比較のため、一番奥に普通のスタイラスを置いてみた

入れ替えたボディは元の純正のボディと同じ長さです。
ただし、重さが純正と比べて約半分と、軽くなっています。
このあたりは好みが分かれるところでしょうか。
見た目が美しく、アクセントになります。

逆に当たり前といえばそうですが、スタイラスとして先端が変わったりはしていないので、純正スタイラスの書き味に満足いかない方は使えないでしょう。
クロスバーもそうですが、この製品の発想も素晴らしいと思います。
おしゃれです。




番外編


PDA Panache GOLD Stylus 一応「24K GOLD」らしい
PDA Panache製のゴールドスタイラス。

1999年7月に大阪梅田T-ZONEにて購入したが、その後一切入荷せず。
処分品だったようです。

説明をみると、一応24金が使われているらしい・・・(「PP5000」とか、「USR」の文字が時代を感じさせます)。
当時「五寸釘」と呼ばれていたスタイラスの1つです。

PalmPilotの頃の品なので、リセットピンも何もありません。
まっすぐ一本気な(?)ただのスタイラスです。

一応、Palm IIIにはぴったり入ります。
PDA Panacheのサイトでももう売ってないみたいなので番外編に入れました。



PalmSource99 3Way
Palm Source 99のロゴが入ったスタイラス。
(たぶん非売品)

大きいので Palm本体に収納することはできないが、スタイラス・ボールペン・シャープペンシルの 3Wayペンになっています。
シャープペンシルがあるのはちょっとうれしいですね。



でかQ
球の部分がやけに大きいすたぼQ。
この球は「デカQ」というらしい。
SIMPLE COMの販促品(?)らしい。
比較のために下に普通の球を置きました。
デカQの実用性は・・・不明です。





おわりに


毎日使うスタイラス、だからこそ自分にあったものを探したいですよね。
また仕事のとき、ゲームで遊ぶとき、などなど、その場での使い分けも必要かもしれません。
私の経験が少しでも参考になればと思います。




更新履歴

2000/02/27 初版
2000/03/03 すたぼQの別売球セットの記述誤り修正
2000/06/01 PalmIIIcJ純正、TRGpro純正、stylus 5-pack、ぺんとぴあfor c3追加。Dual Action Stylusの新バージョンについて追記
2000/12/31 クロスバー、Accent IIIを追加、他のスタイラスの現状を反映



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