Palm IIIを使うゾウ!


2005/08/08



Written by NAS芹沢 nasseri@cwa.bai.ne.jp



このページは、「大阪Palm III」100万アクセス&7周年記念のために作られました。
高機能なPDAが世に出まくる今日、あえてPalm IIIを使ってみよう、という意味のない企画です(だったらやるな)。

目次

永遠の名機、Palm III
Palm III、復活!
J-OS V のインストール
Palm IIIは現代でも通用するか?ツール編
Palm IIIは現代でも通用するか?ゲーム編
おわりに



永遠の名機、Palm III


「Palm III」は1998年3月10日(日本時間。アメリカでは3月9日だったはず)にアメリカの3Com社から発表され、4月に発売開始しました(たぶん)。


Palm IIIの外観(カバーを閉じているところ)



Palm IIIの外観(カバーを開けたところ)


この頃のPalmは新しい機種が出るたびに会社の名前が変わっていたり、元の名前「Pilot」が使えなくなったりとある意味バタバタしていました。
そういう意味でも話題になっていた時期だったのではないでしょうか。

Palm IIIが出る直前、出た直後のお祭り騒ぎは下記、「パーム航空」の各記事から参照できます。
今でも雰囲気だけは伝わってくると思います。

PAL027便「速報!Palm IIIのかたち」

PAL028便「速報2!Palm IIIレビュー」

PAL029便「速報3!Palm III発表直前」

PAL046-A便「Palm IIIってどう?」

PAL046-B便「Palm IIIってどう?(続き)」

7年以上たった今記事を見ると、これはこれで結構面白いです。
Palm IIIで初めて搭載された「赤外線機能」って一体何に使えるんだろう?とか、書いてありますね。
今では当たり前のように使っていますが。
面白いのでついついいろいろ読んでしまいました。

「パーム航空」は相変わらず今読んでも面白いですね。
それどころか、トップページにちゃんとCLIEの生産終了についてもアナウンスがちゃんと追加されているところも、さすが機長!
(今ごろ気づいた)

「Palm III」が出たおかげで、一頭のゾウがPalmOSという存在に触れることができました。
「Palm III」が出たおかげで、「大阪Palm III」というWebサイトができました。

すべては、この名機が出たことによりはじまったのです。




Palm III、復活!


久しぶりに、「Palm III」を起動してみることにしました。


裏の電池ボックスのふたを外して単4電池を用意。
2本入れます。
一本はマイナス側、もう一本はなぜかプラス側に電池のバネが付いている、あの紛らわしい仕様も今となってはいい思い出。



最初の起動画面が早すぎて撮影できませんでした。
どうしても見たい人は先ほどの「パーム航空」の記事などで見てくださいね。
というわけでスタイラスによるタップ位置設定画面。



おおー無事に起動。
やっぱり乾電池を使う機種って手軽に立ち上げられるからいいよね。
いまだに乾電池で動くカラーのPalmが欲しいと思うのは私だけでしょうか?




J-OS V のインストール


無事に起動したからには、やはり日本語を使いたい。
そこで、久しぶりに「J-OS」をインストールすることにしました。

「J-OS」はSimple-Palmで公開されている英語版Palmを日本語化するためのソフト。
Palm IIIはPalmOS3.0なので、対応している「J-OS」は「J-OS V」になります。

Palm IIIはシリアル接続であり、標準でUSB接続はできません。
しかも、外部メモリーカードスロットなんてものは無いので、どうやってJ-OSをインストールしようかと考えた結果、他のPalmから赤外線で必要なソフトを送ることにしました。


Xplore G88からPalm IIIへ赤外線でソフトを転送。
写真ではとりあえず「Filez」を送っているところ。
この後、「Filez」を使ってJ-OSに関するソフトを赤外線で転送した。

なお、送信元の機種がなぜマニアックなXplore G88なのかは深い意味はありません。
たまたま手元にあったJ-OS Vが入っている機種がこれだったからです。
Xploreは海外では有名なPalm系スマートフォンです。
(GSMなので日本では電話としては使えません)
少し前にPalm飲茶blogXplore G88を格安でゲットした記事があったので、そういえばうちにも一台あるけど全く使ってなかったなということで引っ張り出してきたもの。
なぜか手持ちのPalmOS5を搭載した機種でメモリーカードにJ-OS V関連のファイルを置いて、Palm IIIに赤外線送信しようとしたらうまくいかなかったのです。
PalmOS4.1搭載のXplore G88でやるとうまくいきました。

必要なファイルをすべて転送したら、Prefsに「J-OS V」が現れ、無事に日本語化できました。
日本語化のやり方については「Palm Vを日本語化するゾウ!」を参照してください。

よく考えてみると、昔は「J-OS III」や「J-OS IV」をインストールしていたので、Palm IIIに「J-OS V」をインストールするのは生まれて初めてだったりする。
フォントは、メモリサイズを結構食ってしまうが当時お気に入りだった「ダサ字」「ダメ字」フォントをAzipon's ReadMe!!からダウンロード。
メモリが厳しいのでとりあえず「ダサ字」だけ入れてみました。
(んーPalmOS5用もほしいなあ>ダサ字、ダメ字)


メモ帳に日本語で「超久しぶり。懐かしいゾウ。」と書き込んだところ。
ほんとに懐かしい。
Palm IIIは搭載メモリが2Mバイトなので、あまり大きな辞書などを入れることができない。
最低限の日本語環境なので漢字変換などは今となっては快適とはいえないが、でもサクサク入力できるこの速さは今でも気持ちいい。




Palm IIIは現代でも通用するか?ツール編


さて、日本語環境も整っていよいよ完全に復活したPalm III。
2005年の今、Palm IIIを使ってどれだけのことができるのだろうか。

時間のある限り試してみました。
まずはツール編。
今、個人的にPalmを使ってしていることといえば、

・メールの送受信
・Webの閲覧
・予定表、メモ帳などの標準アプリの置き換え

くらい。
これをPalm IIIでやろうとしたら、一体どうなるのか。


思わず画面の左上をタップしてしまう。
いきなりの大ボケでつかみはOK。(+_+)\バキッ
(PalmOS3.0では左上をタップしてもメニューは出ず、何も起こりません)

んなアホなことをやっている場合ではない。
(と言いつつこの後何回も同じ失敗をしたのは内緒だゾウ)

まずはメールとWebだ。
その前に、通信回線をどうするか。
最初は赤外線を使って通信したいと考えたのですが、携帯はFOMAに変えてしまってPDC用の赤外線通信アダプタは使えないし、仕方なく往年のモデムを引っ張り出してきました。


「PalmPilot Modem」です。
一般電話回線に接続でき、14400bpsで通信可能。
いや〜懐かしいゾウ。



このように前面のふたを外して単4電池を2本入れて使います。
今見てもコンパクトでいい感じです。



Palm IIIのおしりにはめ込んで、ISDN回線を接続。



通信回線の準備はOKです。


まずメールですが、当時も定番だったPOP-Jを使います。
「POP-J」は、メール保存や閲覧などの機能はPalm III標準で搭載されている「Mail」というソフトを使い、メールの送受信など通信部分だけを行うソフトです。
シンプルで使い勝手もよく、動作も高速ということで定番になっていました。


送信設定では「POP before SMTP」もあるので、現在でも十分使えるのではないでしょうか。



接続してみたゾウ。
「PalmPilot Modem」もピーとかガーとかいう音が久しぶりで新鮮。



メールの送受信に成功!
思っていたより、今でもシンプルにできますね。


次はWebです。
当時は「Xiino」の前身である「PalmScape」が定番でしたが今は入手できないので、Simple-Palmで公開されている「WorldFinder」を使うことにしました。
「WorldFinder」はJ-OSの作者として有名な山田達司氏によるテキストブラウザで、「PalmScape」という素晴らしいブラウザが世に出たのをきっかけに開発を中止したという有名な話が残っています。
しかし、現在でもダウンロード可能なので、迷わずこれに決めました。
PalmOS3.0で動く他のブラウザはないと思います。


早速PalmFanを見ることに。
おおー。
ヘッダ類まで表示されてしまいますが、本文もちゃんと読めるゾウ。
今日(2005年8月8日)のPalmFanの記事は全部Palm IIIで読みました(笑)。



テキストだけ表示なので十分な速さで読み込めますし、ブラウザとして普通に使えますね。



Palm IIIの画面上で見る「ひとまず。」も、また格別。


結論ですが、PalmOS3.0でもそこそこなんとかなるなあ、という印象でした。
Palm IIIは幸いPalmOS3.3にアップグレードできるファイルが米Palm社のPalm IIIサポートページで提供されているので、シリアル経由でOSを3.3にアップグレードすればもっと幅広いソフトが使えるのではと思います。
Palm III用のダウンロードファイルを今もちゃんと公開している米Palm社ってやっぱり偉いよね。


PalmOS3.3にアップグレードすれば、PalmOS3.0ではエラーで動かなかったPaPi-Mailのフリー版も動くはずだ。

機会があればいまさらですがアップデートに挑戦したいと思います。


予定表、メモ帳などの標準アプリの置き換えは、特にしなくてもノーマルなままでそこそこ使えるなあ、というのが久しぶりに使ってみた印象です。
PalmOS3.0に対応した置き換えソフトがどのくらいまだ残っているのかわかりませんが、メモリ量もあまりないのでたくさん入れるわけにもいかないので標準のままで使うことにしました。




Palm IIIは現代でも通用するか?ゲーム編


PalmOS5全盛の今、PalmOS3.0で動く新しいゲームは皆無です。
そんな中、比較的新しいゲームでPalm IIIで動くものが1つありました!

それはTOYSPRINGの「Bike or Die!」です。

「Bike or Die!」の詳しい説明はPalmゲームカタログのスポーツゲーム(アクション)のページを参考にしてください。



速度が遅いというわけでもなく、普通に見ることができるタイトル画面のデモ。



PalmOS3.1で動くというならまだわかるけど、3.0でも動くというのがすごい。



ゲーム自体も、Palm IIIだから速度が遅いとか、そういう違和感はまったくなく普通に遊べます。
昔、Palm Magazineの記事のための検証でVisor Deluxeで遊んだときよりは、若干重いかも。
でもゲーム性はまったく損なわれていません。

さすがにPalmOS5.0全盛のこの時代、PalmOS3.0で動くゲームを探すのが一苦労です。
でも、過去の資産がたくさんあるPalmですから、Palm IIIで動く面白いゲームはたくさん、たくさんあります。
みなさんもPalmゲームカタログで探してください。

私も暇をみて他のゲームも試してみたいと思っています。



おわりに


Palm III、久々に使ってみました。
思っていたより、今でもいろんなことに使えそうです。

なんか、今使っても十分楽しいゾウ。(^_^)


さすがに2Mバイトのメモリではいろいろ入れると速攻でどんどん減っていく・・・。




更新履歴

2005/08/08 初版




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